自衛隊のメシ
嫌韓サイトとしては、わりあいもの言いがおだやかで、ユーモアや皮肉がいっぱいの「カイカイ反応通信」に、日本と韓国の軍隊の食事を比較した記事が出ていた。
軍隊の食事といえばマズイのが相場と思っている人がいるかもしれないけど、これを読んでむかしの思い出がよみがえってきた。
韓国の軍隊はともかくとして、日本の自衛隊、それも海上自衛隊については、わたしはじっさいにそれを食べたことがあるのだ。
自衛隊に入ると、最初はだれでも教育隊というところに配属させられる。
ここのメシはまずかった。
それが当局の方針なのかどうか、メシのまずいのが気にくわないやつはさっさと辞めろと、まだ海のものとも山のものともわからない新兵をふるいにかけていたのかもしれない。
まずいメシに数ヶ月耐えると、はじめて艦(ふね)に配属されることになる。
艦に乗り込んでびっくりしたのが食事のうまさだった。
けっして豪華だとかめずらしいというわけではなく、ありふれた材料で素人の隊員が作ったメシなんだけど、教育隊に比べると雲泥の差だった。
いったん海に出てしまうと食べ物しか楽しみがないということで、むかしから海軍の食事はうまいということで定評があったらしい。
考えてみると、同じ米でもアパートで独り者が炊く1合2合のご飯と、大きな釜でいっぺんに大量に炊くご飯では味がちがう。
海上自衛隊では週にいちどはカレーが出るけど、これもでっかい鍋でいちどにたくさん作る。
うまさの原因はこういうところにあったのかもしれない。
わたしは炊事班ではなかったけど、新兵として、ときどき食料の積み込みに駆り出されることがあった。
艦が航海に出るときは、出航まえに当座の食事の材料を積み込まなくてはならない。
見ると搭載される食材の中に果物のウリやブドウがあったりする。
あ、これは数日中にそれが出るなと期待していると、ぜんぜん出なかったりする。
ああいうのは炊事班の連中が自分たちだけで消費してしまうに違いない。
そういえば夜中に炊事班の居住区に行くと、連中はよく非常食の乾パンをテーブルに積み上げて、ポーカーをしていた。
なにしろ食事に関するものはすべて彼らの専売だから、賭け札がなくなったら、おい、倉庫に行って乾パンを持ってこい、缶詰を持ってこいなんてことは彼らの十八番。
自衛隊に入って食べ物に不自由したくなければ、炊事班がいちばんだ。
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