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2016年12月12日 (月)

古い友人

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むかしの山登り仲間の忘年会に行ってきたことは書いたばかりだけど、そこに集まったメンバーのなかに、またしても現役を引退した人間がいた。
若いのは顔も知らない新しい会員ばかりで、それ以外はわたしより年寄りか、せいぜい同年齢だから、どんどん引退もやむを得ないけど、やはり寂しい。
とくに今回仕事をリタイアした糸ッパラという男には思い入れがある。

わたしはむかしから唯我独尊のわがまま人間だったから、ほんとうにこころを許して付き合える人間はあまりいなかった。
それでも他人に頭を下げるのがキライだから、ふん、そんなら勝手にしろ、ひとりで行くわいと、単独で山登りに行くことも多かった。
単独登山は楽しいものだけど、それだけ、つまり手におえない偏屈だったわけだ。

いちおう名前を連ねていた山登りの愛好会に、あとから入って来たのが糸ッパラだった。
彼は無類の山好きで、ということは、いっしょに山に行く相手がいないと、わたしにまで話を持ちかけてきたことでわかる。
わたしと彼は2人だけで、よく奥多摩、奥秩父の山に出かけたものだった。

ひとり登山は楽しいし、大勢の登山もけっして悪くはない。
それじゃ2人で登るのはどうかっていうと、これもおもしろかった。
彼が細かいことを気にしない男だったからだろう。
初めて登った金峰山で、足もとの岩のあいだに咲き乱れるコイワカガミに感動したのも、彼との山行きである。
もっとも彼は花なんかに興味はなかったけど。
添付した上の写真がソレ。
よく見えないだろうけど、糸ッパラは下の写真の五丈岩の足もとに立っている。

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いくつかの思い出を共有した彼もいよいよリタイアだ。
彼はわたしより若いんだけど、それでも安月給で2人の子供を育て上げ(わたしたちが属していた会社の給料は安かった)、本人は最近になって前立腺ガンをわずらったことを告白していたから、もう十分だ。
リタイアして残りの人生を楽しんでもらいたい。
若いころいいかげんだった男は、歳とってから苦労するという見本を示すために、わたしはまだまだリタイアしないつもり。

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