アイヌ
コショウジ君の続きを書くまえに、幼なじみからのコメントで、ちょっと思いついたことを。
わたしが小学生のころ、社会科の授業の一環として、わたしが通っていた小学校にアイヌの人たちがやってきたことがある。
朝礼台の上で奇妙な文様の衣装を着た人たちが、わけのわからないアイヌの歌をうたったことぐらいしか記憶になく、もうしわけないけど、動物園で珍奇な動物を見たのとおなじていどの感想しかなかった。
でも最近ではわたしもナショナル・ジオグラフィックのファンだ。
いまでこそ北海道は、夏は空気の清涼な高原的風景、冬は雪と氷の北欧的景色の観光名所だけど、冬の寒さが開拓時代には無数の悲劇を生んだ。
歴史的にみても、日本人は頑固なくらい生活習慣を変えないところがあって、江戸時代に北海道の警戒にあたった侍たちは、内地の建物様式をそのまま厳寒のこの土地に持ち込んだ。
障子や雨戸のある木造住宅で北海道の冬をしのごうとしたものだから、少なからぬ人たちが冬の寒さに耐え切れず、病魔に倒れたという。
そんな北海道だけど、この土地で平然と暮らしてきた人たちがいる。
ほかならぬアイヌの人たちで、彼らは冬の寒さをしのぐためのさまざまな生活の知恵を身につけていた。
内地からやってきた侍の中にも、彼らの知恵を借りてなんとか越冬に成功した者もいた。
間宮林蔵の樺太探検も、アイヌの協力がなければ成功しなかったはず。
世間には非文明的だというだけで、相手を一段下と見下す人が多いけど、わたしたちにもいくらかはアイヌの血が混じっているとすれば、それは十分に他人に自慢していいものだと思う。
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