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2017年2月15日 (水)

雪まつり/小樽

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今回のツアーには小樽観光がセットになっていた。
よくわからないけど、ほかの旅行会社の客といっしょにされて、観光バスによる小樽までの半日観光でもあるのかもしれない。
朝の8時出発なんていわれたら目も当てられないから、そんなものに参加する気はなかった。

ところが北海道に到着してすぐHISに顔を出してみたら、渡されたのは千歳空港から札幌、小樽間のJR4日間のフリーチケットだった。
こいつは気が利いている。
これならわたしみたいに横着な旅人でも、好きなときに好きな散策が可能ではないか。

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で、北海道に到着した翌日は、雪まつりのまえにふらりと小樽まで往復してきた。
札幌から小樽までは列車で行っても(鉄道マニアのわたしは鈍行を使ったけど)、1時間もかからないのだ。
小樽にことさらの興味があったわけじゃないけど、どうせフリーチケットをもらったんだからってことである。

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列車に乗っていると、銭函という駅を過ぎたあたりから、右側の線路のわきに石狩湾が広がる。
そんなものを予想してなかったのでおどろいた。
じつは札幌から小樽までの行程の半分ほどは、雪がちらほらする本物の冬の日本海沿岸を行くのだ。
おまけみたいなものだったけど、孤独を愛する人、つげ義春の旅にあこがれる旅人なんかには絶好のステージで、今回の旅でわたしがいちばん恍惚となったのは、この列車に乗っているときだったかもしれない。

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小樽は海にむかってゆるやかに傾斜した街だった。
小樽といえばすぐに思い浮かぶのが、石川啄木の
 悲しきは小樽の町よ歌うことなき人々の声の荒さよ
という歌だけど、これは小樽を称賛するものではないだろう。
この旅に持参した更科源蔵の「北海道の旅」には、岩野泡鳴の小説が引用され、小樽人はリアリストだと書かれている。
ほめたのかけなしたのか微妙なところだけど、たぶんけなしたんだろう。

わたしは海から近い土産物屋に入ってみて、海産物の高いのにびっくりした。
写真を撮ろうとしたらすぐに店の人間が飛んできて、撮影は禁止ですという。
これでは高いことを店がみずから認めているようなものだ。
現地で買えば輸送費がかかってない分だけ安いはずという常識が通じないところが、小樽人のリアリストたる所以かもしれない。

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小樽では運河沿いにある古い醸造所や倉庫街などを見てまわったけど、それらが現代ふうに模様替えされて、レトロな雰囲気の観光名所になっているのに感心した。
しかしレストランやカフェで飲食をしたわけでもないから、おもしろい体験とはいいかねる。
そこで話のタネに運河クルーズに参加することにした。
20人乗りくらいのボートで運河をめぐる40分ほどのツアーだそうだ。

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この日は2隻のボートが稼働しており、そのうちのひとつは欧米人の男性が操船していた。
わたしが乗ったのは若い娘があやつる船で、北海道には美人が多いという風説どおりのカワイ子ちゃんだったから、わたしにはこっちのほうがよかった。
ボートの屋根はビニールで覆われて雪や寒風を防ぐようになっていたけど、ちょくせつ写真を撮りたいわたしは、大半の時間を吹きさらしの場所に立って過ごした。
船頭さんはガイドも兼ねていて、めぼしいポイントではマイクをにぎって説明をする。

ボートは小樽港をちょいとのぞいてから、狭い運河を往復した。
冬の港にはカモメが飛び交っていて、これはちょいとした演歌の舞台である。
もっとも港にはスズガモの仲間もいて、こちらは間抜けな顔をしているから演歌にはならない。
ボートが近づくとこのカモたちがいっせいに飛び立って、バードウォッチャーのわたしには、まあ、小樽の運河クルーズは今回の旅で楽しめたほうだった。

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