雪まつり/つどーむ会場
札幌の雪まつりは一ヶ所だけで開かれているわけではない。
つどーむ(札幌コミュニティドーム)会場というのがべつにあるそうである。
で、せっかく札幌まで出かけて無聊をかこつ身のわたしは、3日目にそっちへ行ってみることにした。
この日の札幌は、わっと叫びたくなるような青空がひろがったので、ひきこもりのわたしも後ろからムチをくらっているような気持ちである。
あらかじめ印刷してあったメトロの路線図を片手に出かける。
前日は雪がちらちらする天気であったにもかかわらず、歩いていると汗ばむほどだったから、この日はコートの下はコーデュロイのシャツだけにした。
わたしのコートはロシアの冬にも耐え抜いた、強力な防寒仕様だからあまり参考にはならないと思うけど。
ホテルのある新札幌から札幌駅まで、エアポート・トレインでひとっ飛びして、札幌駅で東豊線というメトロに乗り換える。
つどーむ前という駅がなかったので、どこで降りればいいですかと駅員に尋ねてみた。
終点の栄町だそうだ。
券売機にお金を入れると、いくつかの料金が表示されるから、栄町までに該当する金額を押して切符を買うしくみ。
ところがモニターにはそれ以下の金額しか表示されない。
どうしたらいいですかとまた駅員に聞く。
バス乗り換えってボタンを押してくださいという。
メトロの終点まで行くのに、バス乗り換えとはこれいかにってわけで、意味がわからなかったけど、とにかくいわれたとおりにして栄町には着いた。
栄町で地上に出ると、すぐ目のまえに会場までのシャトルバスが停まっていた。
バス乗り換えというのはこれのことかと納得したけど、運賃は100円だそうだ。
わたしはすでに札幌駅で金を払いましたといってみたが、メトロとバスは運営会社が違いますといわれて埒があかない。
切符はメトロの駅を出るとき、改札機に吸い取られてしまって、手元に残ってないのである。
サッパリ意味がわからないまま、あきらめて100円玉を用意してバスに乗り込んだら、わたしの歳では無料だった。
そんならごちゃごちゃいうこともなかったけど、ひさしぶりに他人に苦情をいって気分がよい。
最近のわたしは、映画を観にいっても、本人の意思にかかわらず高齢者にされてしまうことが多いのが少しく不満。
「つどーむ会場」のつどーむというのは、写真を見ればわかるけど、屋内でサッカーもできるというでっかい施設である。
完成したのは平成9年(1997)というから、ウチの近所の「味の素スタジアム」よりいくらか古い。
Jリーグ「コンサドーレ札幌」のホームタウンかと思ったら、それは札幌ドームっていうのがべつの場所にあるそうだ。
破綻した夕張市というのがすぐ近くにあるくせに、大きな都市というのは金があまっているらしい。
この施設のまわりが雪まつりの第2会場だった。
といっても巨大な雪像があるわけではなく、そのかわり雪で作った大きなすべり台や、迷路などがこしらえてあって、どちらかというとお子さま連れの家族向け会場という感じ。
なんだかひっきりなしにヘリコプターが離着陸しているなと思ったら、これはすぐとなりに、陸上自衛隊の丘珠駐屯地があるせいだった。
お子さま連れの家族向け会場だから、もちろんわたしみたいな偏屈老人がひとりで騒いでも、おもしろいところであるはずがない。
それでも感心したことがいくつか。
そのひとつは、大通公園では雪が少ないのが不満だったけど、こちらはスキー場のように、足もとは完璧に雪におおわれていたこと。
ギュッギュッと白い雪を踏みしめて歩くのはホントいい気分。
ずうっとむかしのオホーツクの旅では、小さな子供たちがなぜかよそより可愛いく思えて、どうしてかなと考えたあげく、みんなカラフルなキルティングのジャンパーを着ているからだと思い当たったことがある。
いまは日本のどこに行ってもカラフルなジャンパーなんてめずらしくないから、それほど目立たないけど、つどーむ会場でカラフルな子供たちを見て、あらためてそう思った。
感心したことのもうひとつは、どうして北海道の女の子って、ああ可愛い子が多いのだろうってこと。
あちらこちらでボランティア、もしくはアルバイトの女子大生みたいなのが働いていたけど、みんな美人である。
わたしが北朝鮮のぼんぼんみたいな独裁者であったら、ああいう子をとっかえひっかえと、ついよからぬ妄想にふけってしまうくらい。
写真を撮りたかったけど、わたしみたいなおじさんがカメラを向けても、彼女たちが好感のまなざしで見るはずがないとあきらめた。
美女からはそれ以上のことを期待できそうもないので、この日は札幌市内にもどって札幌ラーメンを食べることにした。
| 固定リンク | 0
コメント