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2017年3月 8日 (水)

見放される

むかし海上自衛隊にいたころの話だけど、先輩の海士長の中に、長いあいだ同じ階級にいすわったままの人がいた。
こういう人は制服の袖の精勤章の本数をみればわかる。
精勤章というのは1年半ごとにもらえるものだけど、これが多いということは、彼が海士の地位にとどまって、いつになっても海曹クラスに出世できないことを意味するから、あまり自慢にはならない。

ふつうは時間さえたてば、誰でも順送りで3等海曹ぐらいにはなるもんだけど、ひとつの艦に何人かは、こういう出世から取り残されたような古強者がいた。
けっして仕事ができないわけではなく、なにしろ古くからいすわっているベテランだから、若い新任の海尉をどやしつけるほど実力がある。
おそらく防衛庁の名簿から漏れてしまって、誰も気がつかないままそのままになってるんだろうと、新米の海士であるわたしたちは陰でうわさをしていた。

現在のわたしの知り合いには、80にもなるのに、ほかのもっと若い知り合いよりよっぽど元気な人がいる。
ああいうのはきっと神さまの名簿から漏れてしまって、このまま永遠に死ねない人かもしれない。
つまり神に見放された人ってわけだ。

こういう人に比べると、わたしの神さまはあいかわらずわたしを見捨ててないようで、わたしは順調に歳を重ねているみたいである。
こないだの日曜日に近所の飛行場を一周してきたけど、死ぬほどくたびれて、足の衰えをしみじみ感じた。
このままいくと、海外旅行もここ1、2年が勝負だろう。
わたしの旅は歩きまわることに主眼があるので、歩けなくなったら意味がないのである。

ということでまたぞろ妄想の始まり。
パリに行こうか、スペインにするかと、目下思案中(思案するだけならタダだ)。
そのうち貯金も底をつくだろうけど、こんな反社会的な生き方にもそろそろ終わりが見えてきたようだから、ちょうどいいんじゃないか。

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