日本の皇室
ネットニュースを閲覧していたら、スペインの国王夫妻が来日中で、その歓迎式典が素晴らしいという記事を見つけた。
世界中に王室の残る国はいくつもあるけど、たいていはふざけている(もとい、くだけている)国が多く、日本のように王室が、ビクトリア朝の英国や、ロマノフ王朝のロシアのような原理原則を維持した国はないから、王室のない国、たとえばアメリカ人なんかはむやみに感動してしまうらしい。
日本人のわたしも日本の皇室がほめられて気分がわるいわけないけど、やっている(もとい、やらされている)皇族の人たちは大変だなと思う。
おりしも今朝の新聞に天皇退位後の皇后について、上皇妃という称号が決まったというニュース。
たちまち思い出すのはむかし読んだ本で、戦前に秩父宮が上高地を訪問したとき、案内をおおせつかった「常さ」という山男の話。
山男というのは世間の常識が通じない、いまでいうニートみたいなのが多くて、彼はこのとき同行していた秩父宮のお妃を、こともあろうに「おかみさん」と呼んで物議をかもしたそうである。
なにしろ戦前のことだから、これは不敬罪にあたる。
周囲がいっしゅん青ざめたとき、でも秩父宮はさばけた人で、まわりのおべんちゃらばかりにいいかげんうんざりしていたらしく、常さはおかみさんでかまわないとのたまったそうだ。
いい話である。
日本人はとかく杓子定規で、融通がきかない。
おかげで外国から尊敬されるのはいいけど、世界の王族のお手本をやらされる本人はたまらないだろうなと同情してしまう。
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