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2017年5月23日 (火)

カジノ

わたしの知り合い(かりにA君ということにしよう)がシンガポールのカジノでひと勝負してきたそうである。
結果がどうなったか、わたしは知らないけど、そのときいっしょに出かけた友人たちの話を総合してみると

友人たちはそれほど熱意があったわけでもないから、早々に引き上げ、A君がひとり残って勝負を続けていた。
てきとうな時間を見計らって、友人がA君を迎えに行ってみると、彼は勝負に勝っており、600万円稼いだら止めるからといったそうだ。
ところが友人が迎えに行ったころがちょうど勝負の潮時だったらしく、このあとA君のツキは落ちて、けっきょくそれまで儲けていた分を吐き出すことになってしまったらしい。

これだけの話である。
カジノではめずらしくもおかしくもない話だろう。
問題はこのあとだ。
日本へ帰国したあと、カジノから招待状がきて、こんどはA君はひとりでふたたびシンガポールへ飛んだ。
そしてどうなったかは神のみぞ知る(わたしは知らない)。

カジノというのはプロのギャンブラーの仕事場だ。
遊びに来る客をカジノの側は慎重に見極める。
どいつが熱くなるタイプか。
熱くならずに適当なところで切り上げるような客は、そんなものを相手にしても仕方がないから、ほどほどに勝たせてやってもいい。
ある程度金持ちで、しかも熱くなるタイプ、そういう客がいないかと、カジノはつねにひそかに物色しているのだ。

A君の場合もカジノの側はしっかり性格を見抜き、ひょっとしたらと思わせるあたりで相手を熱くさせる。
ところがそこへ友人が迎えにきた。
やばい、これでは勝ち逃げされる。
そう考えたカジノ側は、手練手くだで、ぼちぼち手元を引き締め始める。
おかげでA君は儲けることはできなかったけど、もうひといきで大儲けできたのではないかという期待感だけは残った。

そんなA君にVIP待遇で招待しますと、007映画のカジノシーンなんかをあしらった、お世辞べたべたの招待状を送る。
あの豪華絢爛たるカジノで、自分は特別待遇なんだとカン違いした彼は、ふたたび、こんどはひとりでシンガポールへ。
どうも顛末はそういうことらしい。
結果については知らないけど、この調子じゃおおよその見当はつくな。

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