なぞの漫画家
今朝の新聞についてきたGLOBEの記事が、最近増えてきた中国人の訪日観光客についてで、これはおもしろかった。
とかく中国人というと評判が悪いけど、これはあちらでもマナーがうるさくいわれているようだし、なにより日本のいい点を学べという声もあるようだから、わたしはあまり心配していない。
それより気になったのが、またつまらないことを気にしてやがんなといわれそうだけど、GLOBEの表紙をかざっているイラストについて。
これは林竹さんという中国人の漫画家が描いた、桜の季節の京都の三年坂を描いたものだけど、手前にどーんと和服を着た女性、横の方にはセーラー服の女子学生が描かれている。
中国人は日本のセーラー服に胸をときめかすんだそうだ。
そういえばあちらでは、女学生はみんな色気なしのジャージーだもんな。
余計なことはさておいて、このイラストを見てむかしの日本の漫画家を思い出した。
林竹さんの画風と似ているかどうかは別にして、頭でっかちで短足というキャラが、どこかその漫画家の作品を連想させたのである。
この日本人漫画家は60~70年代ごろに活躍した人だけど、なんという漫画家だっけ。
画風ははっきりおぼえているし、作者の顔までおぼえているのに、名前だけがどうしても出てこない。
うーんと頭をひねってみる。
たしかスタイルはほのぼの系で、西岸良平のようなナンセンスとストーリーが入り混じったような画風だったはず。
名前は「あすなひろし」や「いがらしみきお」のように、ぜんぶひらがなだったようなような気がする。
本人の写真では、坊主頭でどてらを着ていた。
作品の中に貧相なイヌと下駄がよく出てきた。
気になってウィキペディアの日本の漫画家一覧にあたってみた。
名前を見れば思い出すだろうと考えたのだけど、いやもう、数が多すぎてうんざりして、とちゅうで投げ出した。
「日本の漫画家」とともに、「ナンセンス」や「ほのぼの」「70年代」という言葉をキーワードにしてみたけど、どうしても見つからない。
作品のタイトルがわかればいいんだけど、絵は思い出せるのにタイトルは出てこないのである。
漫画をランキングするサイトにかたっぱしから当たってみたけど、残念ながら、大半はわたしが漫画に興味を失って以降の作品ばかりだ。
だれかこの漫画家の名前がおわかりの人がいたら教えておくれでないか。
添付した絵とうしろ姿は林竹さんのもの。
本人はなかなかの美人だから、中国版のオーサというところだな。
夜中に眠れないまま、時間つぶしにウィキペディアの漫画家一覧をしらみつぶしに当たってみた。
それでようやくわかったこの漫画家の名前は「滝田ゆう」。
ぜんぶひらがなの名前というのはわたしの記憶違いだったけど、わかってしまえば、団塊の世代のだれでもいちどは見たことがあるほど有名な漫画家だ。
彼の作品でもっともよく知られているのは、墨東の花街を描いた「寺島町奇譚」で、画風はほのぼのでも、内容はシリアスなものであったことを思い出した。
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