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2017年7月26日 (水)

火山島

友人から済州島へ行かないかと誘いがあった。
あいにくわたしは筋金入りの嫌韓家とみなされている人間だ。
といっても口汚く相手をののしるだけのネトウヨじゃない。
公平客観的にみても韓国の反日感情は理解できないということである。

そういうわけで誘いは留保してあるけど、一方でわたしは部類の旅行好き。
たとえばキライという理由だけで、その国に見向きもしない輩とは明確な一線を画すのである。
韓国についてもいろいろいわれていることが本当なのかどうか、この眼で確かめてみたい気持ちもある。
そういうわけで、いまうじうじと考えているところ。

かりに行くことになったら、そのまえに読んでおきたい本がある。
在日朝鮮人作家・金石範の「火山島」である。
済州島というと、昨今の若者は、景色のきれいなリゾートとしか考えていないんじゃないか。
旅行会社のツアー案内にも、景色や料理のことしか書いてないからいけないんだけど、じつはこの島には慰安婦もぶっ飛ぶようないまわしい歴史があるのだ。

それは先の大戦が終わり、日本が韓国から撤退し、朝鮮が南北に分断された直後の1948年のこと。
韓国の大統領というと李承晩の時代で、いまの若者はこんな名前も知らんだろうけど、まだ国の足もとが定まらず、国民も南北のどっちにつくか迷っていたころで、済州島でも世論はまっぷたつに割れていた(まだ新興の共産主義にも人気があったのだ)。
意見の相違が蜂起というかたちで火を噴いたのが、この年の4月3日。
これに危機感をいだいた韓国政府と米軍は、済州島に鎮圧のための軍隊を送り込んだ。

この事件で島民の1/5にあたる6万人が殺されたというからハンパじゃない。
しかも同胞あい食む悲惨な殺し合いで、このあたりは台湾に逃げ込んだ中国国民党が、台湾人を大量虐殺したのとよく似ている。
6万人という数は、日本との抵抗運動で死んだ韓国人よりずっと多いんじゃないか(大戦中の韓国人は日本軍に所属していた者が多いので、正確な数字がわかりにくいけど)。

こんな悲惨な過去があるにもかかわらず、いろんないきさつがあって、韓国政府はこれを黙秘し、もっぱら日本叩きに精を出してきた。
済州島へ行くならこの事件のこともきちんとなぞっておきたい。
この事件が、「恨」という言葉で象徴される韓国人の特殊な性格を説明してくれるかもしれないし、このとき日本に脱出した韓国人もたくさんいたというから、在日朝鮮人の問題を考えるヒントになるかもしれないのだ。
金石範の「火山島」は、この事件に材をとった小説なのである。

ということで、図書館からこの本を借りてきたんだけど、その第1巻の冒頭をちょいと読んだだけで、これがとてつもない大仕事であることがわかった。
ま、本についてはおいおいと。

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