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2017年8月 3日 (木)

保導連盟事件

「火山島」という本を読んでいる。
これは戦後すぐに、韓国の済州島であった虐殺事件をモチーフにした本だけど、いや、大変な仕事になりそう。
ぶ厚いハードカバーの本に、虫メガネが必要な活字がびっしり。
しかもこれが7巻まであるという。
はたして読み切るか、それまで寿命が続くかってなもん。
ほんとうにひさしぶりに読みごたえのある本に出会ったなって感じだ。

まだ1巻を飛ばし読みしているところなので、とても内容についてどうこういえないんだけど、この本の背景を調べているうち、「保導連盟事件」という言葉を知った。
なんでも済州島の虐殺事件より少しあと、朝鮮戦争の最中におきた、これも韓国人が韓国人を大量に殺戮した凄惨な事件だったそうだ。
歴史の勉強が好きなわたしとしてはウカツだけど、この言葉をいままで知らなかったのはなぜだろう。

理由のひとつは、これは韓国の恥部というべき事件であり、現在は日本とも友好的な関係のアメリカも深くかかわっていることなので、これまで公けにされることが少なかったかららしい。
ちなみに司馬遼太郎の「街道をゆく」の韓国編でも、朝鮮戦争のことは出てくるのに、この事件のことはひとことも触れていない。

かんたんに説明すると、「保導連盟事件」というのは、日本から独立した直後、自由主義陣営につくか共産主義がいいかとまだ韓国内がもめていたころ、米軍占領下の南朝鮮(韓国)では、共産主義者やそのシンパを逮捕して各地の矯正施設に送っていた。
そこへ朝鮮戦争の勃発だ。
施設の共産主義者が暴動を起こすのではないかと恐れた時の大統領李承晩(と米軍)は、もっともかんたんな方法で決着をはかった。

共産主義者、その気のあるやつ、旗幟のはっきりしないやつ、これすべて皆殺しだと、虐殺は北朝鮮だけの18番じゃなかったのだ。
朝鮮戦争では侵攻してきた北朝鮮も、いたるところで残忍な虐殺をしているから、これは儒教の国の救いがたい宿痾かもしれない。
南京事件と同様で、保導連盟事件で殺害された人々の数は、数万から百万以上まで諸説ありだから、いまさらわたしがそれをうんぬんしても仕方がない。
ただ慰安婦問題にしても徴用工にしても、自らの問題にはふれようともせずに、いつになっても反日教育にばかり熱心という韓国人の姿勢には納得がいかないのである。

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