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2017年9月26日 (火)

未練

人間はトシを取るとこまわりが効かなくなる。
わたしはどっちかというとその例外で、必要ならこまわりでも大まわりでも臨機応変だ。
わたしの知り合いのネコ大好きおばさんは、不必要な品物に埋もれて、さっさと処分しちまいなさいというわたしの忠告に耳も貸さない。

つい2、3日まえの新聞の書評欄に、紀田順一郎さんの「蔵書一代」という本が取り上げられていた。
集めた本に愛着があるんだけど、本人がそろそろトシで、それを処分せざるを得ない知識人の嘆きを書いた本だ。
ひところなら、不要な書物は専門の業者に買い取ってもらうこともできたけど、書物離れの昨今では、どんなに苦労して集めた本でも、BOOKOFFに二束三文が当たり前。
持っていくだけ腹が立つから、捨てちまったほうがいいと思うんだけど、本当の愛書家であればこそ、なかなか簡単に割り切れない。

おばさんも青春の記念だとか、亡き旦那との思い出の品だとか、いろいろ理屈をこねる。
気持ちはわかる。
わたしもかっては部屋に本やLPが山積みだった。
しかしわたしは、書物や音楽が人間形成に役立ったのはもう過去の話だと割り切った。
ただ読むだけ聴くだけなら、いまではすべてパソコンで間に合うのだ。

わたしはこまわりの効かない、つまり時代に取り残されるおばさんを冷ややかにながめる。
このつぎに行ったときはベッドをくれるという。
おばさんはまだ新しいベッドを買うつもりなのだ。

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