青森/アパ・ホテル
ホテルといえばアパ・ホテル。
中国や韓国では総スカンされているらしいけど、わたしの場合、とくにうるさいこともいわずにホテルを決めたら、たまたま当たったのがこのホテルだ。
事情を知らなければ、わたしみたいなひとり旅には、とりたてて問題のないホテルである。
事情というのは、このホテルのオーナーが極右主義者で、部屋に聖書やコーランの代わりに、南京虐殺はなかったとか、慰安婦は売春婦だったなんて書いた本をどうどうと置いていること。
でも、どうせふつうの中国人、韓国人に読めるわけがないし、安けりゃなんだっていいという極東アジアの客も多いようだった(最近のネットニュースによると、中国ではアパ・ホテルもまた予約できるようになったらしい)。
夜中に風呂(小さなバスタブだ)に入って、ヒマだから置いてあった「理論・近現代史学」という本を読んでみた。
べつに、わたしにとって目新しいことが書いてあるわけじゃない。
誤解されちゃ困るけど、わたしは右の文書も左の文書も読んだことがあるということである。
世間にはこういう意見もあるのかと参考にしておけばよい。
こういう極端な意見でもどうどうと発言できる平和な日本に感謝しておけばよい。
逆説的に聞こえるかもしれないけど、こんな本がホテルに置いてあるかぎり、日本の表現の自由はまだまだ保障されていると思えばいい。
どうもホテルのオーナーは自分を売り込むのに熱心な人らしく、自分がいかに立志伝中の人物であるかを強調した本(マンガ)もあった。
他人の自慢話を聞かされるくらい不愉快なことはないけど、無理して目を通したわたしがわるいだけで、読む読まないはあなたの勝手。
| 固定リンク | 0
コメント