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2017年10月23日 (月)

青森/恐山

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さて、下北半島の代表的な観光スポットなら恐山がある。
しかし無神論者のわたしはこういうところがキライである。
似たような場所は箱根の大涌谷や、草津温泉にもあり、むかし南アルプスの地蔵岳に登ったときには、山頂にお地蔵さんが並んでいる不気味な景色を見たおぼえがある。
いくら不気味といったって、地獄も三途の川も信じてないわたしが、そんなものに感動するはずがないのだ。

でもレンタカーのナビを見たら、恐山はむつ市から大間へ行くちょうど途中じゃないか。
これじゃ寄らないわけにいくまいと、観念して車を走らせた。
平日だからか、あるいはいつもそうなのか、この道は車にめったに出会わないひっそりとした山道で、有名な霊地としてはちと意外。

山道を走ること30分ぐらいで、恐山のすぐ近くにある宇曽利山湖のほとりに着いた。
車を停めて車外に出てみると、ぷーんと硫黄の臭いが鼻をつく。
遠方に寺院らしい建物と駐車場が見える。
また大湊で見たレーダーサイトのある山が、ここからはそれを裏側から見ることになる。

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恐山菩提寺まで行ってみた。
期待せずに立ち寄ったくらいだから、もちろんおもしろいとは思わない。
風ぐるまの写真に象徴されるよう、この寺は水子を多く祀ってあるらしいけど、男のわたしにはそんなものを流したという罪の意識もないし、誰かの菩提をとむらうといったって、そもそもあの世を信じていないのだから話にならない。

入場料を払って境内に入ってみると、わたしと前後して、欧米人の太った娘が歩いていた。
え、カノジョー、どこから来たのと声をかけようかと思ったけど、わたしは還暦をすぎたじいさんであることを思い出して、やめておいた。
あいかわらず煩悩の鬼を断ち切れてないわたし。

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境内に木造の温泉小屋があり、のぞいてみたら男性がひとり入浴していた。
熱いですかと訊くと、ちょうどいいですという返事。
ちょうどというのはどのくらいなのか、靴下をぬぐのがメンドくさくて確認してみなかった。
女性用の湯屋はべつにあるけど、欧米人の娘も確認しなかったようだ。

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ここにはイタコというものが存在している。
死者のたましいを呼び出して、いろいろお話をさせてくれるもので、かってはマリリン・モンローを呼び出したこともあるという。
ウィキペディアによると、選択無形民族文化財というものになっているそうだから、あまりひやかすようなことを書くのは止めておこう。
境内に長屋のような建物があって、のぞいてみたら巫女の上っぱりを着たきれいなおばさんが、どこかの年寄りをまえにしてなにか語っていた。
あれがイタコらしいけど、べつに関心もないし、写真なんか撮って死者の降臨のジャマをしてもわるいから、さっさとその場をはなれた。

恐山については、ほかにとくに書くことともないので、興味のある人はグーグルかウィキペディアを参照のこと。
行ったという証明のために、写真だけは載せておく。

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