青森/青森港
青森というと本州の最北端ということで、たとえば演歌の舞台として切なく歌われそう。
しかし冬ならまだしも、それ以外の季節に行ったら、青森市内にはぜんぜんそんな気配はない。
高層ビルが少ないから、空が広いなと感じただけで、たとえばわたしが2年前に行ってきた富山市ともたいして変わらない小規模な地方都市といったところ。
駅のすぐそばに海があり、湾を横切ってでっかい自動車用の橋がかかっている。
この橋の必要性があまり感じられないんだけど、これは日本の政治が津々浦々まで予算を配分していることの証明ではないか。
せっかく地方交付税をもらえるんだから、なくても困らないけど、あればいくらか便利になるから作っとけてなもん。
搾取と還付がバランスよく調和していて、いくらかいびつなところがあっても、日本の政治は文句をいうほどひどいものとは思えない。
ちなみにこの橋はベイブリッジというそうだ。
駅が海から近いのも当然で、かっては終点の青森までやってきた列車は、そのまま引き込み線で、青函連絡船に車両ごと乗せられて北海道に渡っていたのだ。
現在では連絡船は完全に廃止だけど、青森駅には当時の引き込み線の痕跡が残っている。
わたしは到着した日にぶらぶらと港に出かけてみた。
港の周辺は公園になっていて、頭上をまたぐようにベイブリッジがかかっている。
橋の下に帆船の甲板を模したような木造の遊歩道が作られていて、散歩やジョギングをしている人たちがいた。
桟橋には青函連絡船だった八甲田丸が、ホテルになって係留されていた。
これは氷川丸がつながれた横浜港みたいでもあるけど、人影はこっちのほうがはるかに少ない。
ほかに、べつに感心するようなものもなく、漫然とぶらついてホテルにもどることにした。
帰りに駅の立ち食いそば屋に立ち寄って、フノリそばなるものを食べた。
東京でもよくあるワカメそばみたいなもので、立ち食いそばの中では、いちばん安い部類。
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