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2017年11月28日 (火)

しらびそ小屋

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2、3日まえのBSのトレッキング100という番組に、八ヶ岳にある 「しらびそ小屋」 という山小屋が出てきた。
この小屋にはわたしも30年ちかくまえに泊まったことがあるので、ついなつかしい気分で観た。

しらびそ小屋は北八ヶ岳にあって、稲子湯から天狗岳に登る途中の、ミドリ池という池のほとりにある。
このコースには、もう少し山頂寄りに 「黒百合ヒュッテ」 という山小屋があって、そちらは別のコースからも登れるので、人気のあるのは黒百合のほうである。
しかしそのぶんしらびそ小屋は、目立たない、古い素朴な山小屋の雰囲気をよく残していて、わたしがこの山小屋に泊まったのも、30年まえにやはりNHKが特集をしたせいだった。
この小屋では、餌付けされた野生のリスやホシガラスが見られるという。

当時からそういうものの好きだったわたしは、さっそく自撮り用の三脚をかついで、平日にたったひとりで出かけた。
最初の写真はスタート地点から近いカラマツ林の中で。
このときわたしは30代の後半 (若く見えるのは、写真の選択権が本人にあるため)。

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最新の映像によると、このとき小屋の主人だった今井行雄さんは、小屋の仕切りこそ息子さんに譲ったものの、80を超えてまだ元気らしい。
わたしが会ったときは、世捨て人みたいに、ひじょうに無口な人という印象で、奥さんらしいきれいな女性がいっしょに働いていた。

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この晩は、たまたま同宿した男性と2人で、屋根裏部屋みたいなところに寝かされた。
なんだか童心にかえったみたいで楽しかった。
夜になるとたったひとつの窓から、すぐ外側に大きく枝をひろげたダケカンバ、そして丸いお月さんがよく見えた。
先日の放送でもその木はまだ健在だった。

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人間であるわたしにとって、30年は長い。
しかし窓から見えたダケカンバにとっては、そうではない。
しらびそ小屋から天狗岳を目指した登山者を、いったいどれだけこの木は見つめ続けてきただろうか。
わたしももういちどこの山小屋に泊まってみたい。
小屋の古いサイン帳に、ひょっとすると自分の名前が見つかるかもしれない。

最後の写真は、この翌日に登った天狗岳(東天狗) から見た西天狗。

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