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2017年11月13日 (月)

ゴッホ展

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ゲージツの秋だ。
昨日はまた上野に行ってみた。
いま上野では、国立西洋美術館で「北斎とジャポニスム展」、東京都美術館で「ゴッホ展・巡りゆく日本の夢」というふたつの展覧会が開かれている。
このふたつは関連があるので両方観ればいいのだが、どうせ混雑しているだろうから、とりあえずどっちかすいているほうを観るつもり。

まず駅から近い西洋美術館のほうをのぞいてみたら、混雑はそれほどでもなかった(入口に渋滞ができてなかった)。
ゴッホのほうはどうだと行ってみたら、こちらも外から見るかぎりそれほどではない(入口に渋滞ができてないというだけで、館内にはただいま混雑中の張り紙あり)。
それでそのまま東京都美術館に入ることにした。

ゴッホは日本の浮世絵に大きな影響を受けた画家なので、その影響を探ろうと、今回の展覧会では彼の絵と、北斎や広重、国貞の浮世絵も同時に展示してある。
ゴッホも浮世絵も世界的に有名だから、どこかで見たことのある絵が多い。

いっしょに行った知り合いは、アール・ヌーボーの画家アルフォンス・ミュシャを女だと思っていた人である。
こういう相手だと知識をひけらかす絶好の機会だ。
ほれ、この構図、この大胆な省略、デフォルメ、こういうのが印象派の画家たちにとっては衝撃だったんだよと説明する。
ただまわりに大勢の見学者がいるからヘタなことはいえない。
デタラメいうと、注意はされなくても、腹の中でバカにされてしまう。

それにしても展覧会というと、どうしてああ静かなのだろう。
写真を撮ってはいけませんという注意書きはあっても、会話してはいけませんとは書いてないのに、みんな無言の行をしているみたいに押し黙っている。
おそらく無知なやつほど、こういうところでエラそうなことをいいたがると、みんなそう思っているからだろう。
わたしもそう思っているから、あまり専門的なことはいわないようにした。

このあいだカーク・ダグラスの、「炎の人ゴッホ」って映画がテレビで放映されてねと、こういう話題がいい。
アルルの跳ね橋がちゃんと復元されてて、郵便配達夫や医師のそっくりさんが出てきてと、これなら腹の中でバカにされることもないだろう。

最後は芳名録ということで、わざわざフランスまでゴッホの墓参りに行き、画家とゆかりのある医師ガシェの家を訪ねた日本人の記録まで展示されていた。
古い8ミリ映画で撮影された墓参団の映像があって、メンバーの中に和服に日本髪の女性も混じっていたのが興味深かった。
ゴッホが発狂も自殺もしなかったら、日本で墓参りツアーが企画されるほど名声を勝ち得ただろうか。

帰りに上野の森美術館のまえを通ったら、「怖い絵展」をまだやっていて、午後4時だというのに、入口に100メートルもの行列が出来ていた。
これは1カ月前に観に来て、あまりの混雑ぶりに入場を断念したときと変わっていない。
美術史的には斬首されるジェーン・グレイより、浮世絵の影響を受けたゴッホのほうが重要と思えるのに、この混雑はナンダ。
ホラーっていうのはそれだけ人気があるのか。
それともゴッホの絵は有名だからいつでも見られるけど、ジェーンの絵のほうはこの機会にしか観られないということか。
それなら納得できなくもない。
またそのうち来よう。

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