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2018年1月13日 (土)

プロの作家

今月号のナショナル・ジオグラフィックに、朝日新聞でよくその名を見る池澤夏樹サンが記事を書いていた。
朝日でよく見るというのは、わたしが新聞はそれしか読まないからやむを得ないところもあるんだけど、さすがはナショジオで、ここには左翼の主張は微塵もない。

つまり池澤サンはプロの作家であるということだ。
彼は注文主の要求に応じてどんな文章でも書けるにちがいない。
もちろん基本的なイデオロギーは押さえておかないとコウモリ作家と呼ばれてしまうけど、左翼の顔を立て、右翼のご機嫌をとる、そのていどのことはお茶の子さいさいなのだろう。
以前、やはり朝日によく寄稿している高橋源一郎サンが、傾向の正反対のSAPIOにも文章を書いているのにたまげたことがある。
朝日新聞に書いているからといって、いちがいに左翼作家と決めつけるのは危険なようだ。

もっとも本心から左翼のイデオロギーに染まっている作家もたまにいて、左翼が衰退している現在、なんとかつじつまの合う文章を書こうとする
彼らの努力をながめるのはおもしろい。
無理して書いた文章だから、いちゃもんをつけるのも容易で、性格のわるいわたしのいい楽しみになっている。

ところで池澤サンがナショジオに書いていたのは、農業とはなにかという文章で、いかにもこの雑誌が取り上げそうなこと。
狩猟と採集とで食をまかなっていたヒトという動物が、飼育や栽培をおぼえ、確実かつ安定した食料確保を手にすると同時に、格差拡大の種をまいたという意見である。
わたしも日ごろからそう思っていて、このブログにも似たような内容を書いたことがあるから、思想的にはおどろくようなものではない。
池澤サンほどの文才があれば、わたしも左の朝日新聞や、右のSAPIOに文章を書きなぐって、作家・評論家のはしくれに連なり、銀座でカワイ子ちゃんをはべらせてロマネコンティでも飲むのだが。

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