殺戮と希望
わが家のベランダから見下ろした隣家のあったあたり。
完璧に更地になって、ケヤキの古木も完全に根っこまで引き抜かれた。
そこに生えていた植物のジェノサイドは完了したようだ。
今年はもう、毎年隣家との境に咲いたヒメリュウキンカも見られまい。
庭におびただしく積もった枯葉ももう見られないし、その枯葉を養分にしていた小さな昆虫も行き場を失い、小さな昆虫を食べていた大きな昆虫も、大きな昆虫を捕食していた小鳥たちも、そんな小鳥を捕まえていたドラ猫も、みんなみんな困ってしまうわけだ。
人間よ、いったいいつまで地球の主のような顔をしているのか。
と、ぼやこうとしたけど、さしあたって天罰がくだりそうな気配はないから、こっちの分が悪いよな。
自然観察園ではいまセツブンソウ(節分草)が花盛りだけど、これは白い小さな花なのであまりおもしろくない。
その近くではフクジュソウ(福寿草)も顔を出した。
こちらは黄色くて、花の少ないこの季節にはよく目立つきれいな花だ。
で、フクジュソウの写真を撮ってきてブログに載せようと思ったけど、この構図はどこかで見たおぼえがある。
調べてみたら3年前にもこの季節に、同じ場所で撮った同じような写真を載せていた(上が3年前、下が今年)。
ということは、これは3年前と同じ株から生じた花にちがいない。
植生の豊富な隣家を失ったわたしだけど、まだまだしぶとく咲く花もあるわけだ。
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