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2018年3月 5日 (月)

エデンの東

Ee

ときどきセンチな気分になって、古い小説や映画を観たりする。
今日はたまたまブルーレイで録画してあった「エデンの東」、ジェームス・ディーンのアレ、を観てみた。
若いころ観て感動した映画なんだけど、このたびはどうも、あまり感心しないねえ。
なぜだろう。
やっぱり人間が成長したせいか。
いや、わたしの場合、若いころはなんにでも感動しやすく、早い話が精神的に未熟だったってことかもしれない。
いまでもこの映画を傑作だと信じている人がいたら、理由を聞いてみたいものだ。
昨今の荒唐無稽なCG映画が好きという人は問題外。

この映画、どう観ても図式が単純すぎる。
真面目で優秀な息子を愛し、いささかグレている息子を邪険にする親父が登場するんだけど、いくら優秀でも、アメリカってところは、こういう融通のきかないアホ息子のほうが見込みがあると思われているんだろうか。
こういう親父のもとじゃ、ナィーブなせがれが不良になるのも当然という気がする。
日本じゃまじめすぎる息子の将来を案じて、不良友達に吉原へ誘ってやってくれと頼む親父が、江戸のむかしからいたくらいなのに(落語/明烏)。
モルモン教徒じゃあるまいし、こういう話のわかる親父のほうが人情味があっていいじゃん。

それでも映画の中でゆいいつ感動したのが、事業に失敗した親父の損害をカバーするために、不良息子が穀物の投機で儲けた金を差し出すシーン。
ところがこのカタブツ親父は、戦争で儲けた金なんかいらんとつっかえしてしまう。
相手に喜んでもらいたいと思ってしたことなのにと、息子は泣いて親父にしがみつく。
この場面だけはこたえた。
わたしの両親は、生前に、はたしてわたしのことを理解してくれていただろうか。

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