戦中派
中国人と思しき人たちに混じって、ひとりだけ日本の軍人がいる。
この人は、風貌からして、わたしの従兄弟の父親らしい。
そういえば、目下わたしが自炊中の「支那事変・戦跡の栞」という本、あれは末尾に所有者のサインがあって、それはこの父親の名前になっていた。
つまり日本軍の将兵だったこの人は、「戦跡の栞」を読みつつ、中国大陸を転戦していたらしい。
そして終戦後に、この本を持ったまま、わたしの親戚の家に帰郷し、結婚して家を出るんだけど、本だけは親戚に残されたということのようだ。
なんてことのない写真だけど、「戦跡の栞」を読みながらいろいろなことを想像すると、わたしの生まれるまえの時代がまざまざとよみがえってくる。
この写真に写っているいちばん若い人でさえ、いまでも生きているだろうかと気になるくらいの時間差があるのだ。
| 固定リンク | 0
コメント