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2018年6月19日 (火)

バレエふたつ

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土曜日(17日)の深夜に、BSのプレミアムシアターでバレエ番組を放映していた。
キライじゃないので録画しておいたら、今回のそれは「ジゼル」と「ル・ソンジュ」という作品だった。
わたしはいばれるほどバレエに詳しいわけじゃないけど、両方とも古典的なバレエ作品(ソンジュのほうは「真夏の夜の夢」)の現代版らしい。
チュチュに代表される、いわゆるバレエ衣装とは異なるいでたちで、これはもう現代舞踊といっていい作品になっていた。

バレエのダンサーというのは、人間としてこれ以上のものはないくらい、理想的なプロポーションをしている(容貌はフツー)。
そんな美女たち(男もいるけど、とりあえずそっちは棚上げ)が薄モノをまとって、うちの、まあまあ大きなテレビ画面で、しかもデジタルの精緻な映像で迫ってくるのだから、ずっとむかしにシネマ歌舞伎というものを、はじめて観たときと同じ感動があった。

たしかに美しい肉体が、人間わざと思えないようなつま先立ちをするのは、サッカー選手が人間の垣根をかいくぐって、ボールをポストに叩っこむのと変わらないくらい人々を感動させる。
どちらも芸術といってさしつかえない。
ただしプロポーションでいえば、サッカーがとてもバレエにはかなわないことは、なでしこジャパンを見ればあきらかだ。
美の基準は人それぞれというけど、わたしはやはり歴史的にも認められている、普遍的なもののほうに軍配を上げてしまうのである。

それにしても、どうしてバレエダンサーは必要以上に肉体を誇示するのだろう。
やっぱり苦労してきたえあげた体を、服の下に秘蔵しておくのはモッタイナイと考えるのだろうか。
なんだか知らないけど、そうとうにむかしからバレエというのは、踊りもさることながら、美しい肉体を誇示するものだったようである。
そりゃ百貫デブみたいな肉体が踊るより、魅惑的な肉体が飛んだりはねたりするほうが、バレエの主観客だった王侯貴族を満足させただろう。
オペラもそうとうむかしからあるけど、柳腰の美女では声量に難があったらしく、あちらはあまりプロポーションは問題にされない。

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裸体が透けてみえるようなバレエを観て、ニタニタと口もとをゆるめるというのは、あまりいい鑑賞方法とはいえないかも。
そんなイヤらしい目で観ているというのは、これもセクハラになるんじゃないか。
だんだんいつものわたしになっちゃうけど、バレエを観る男の本心を弁解しようとは思わない。
録画した映像のなかには、どうみても官能的すぎるシーンもあったくらいだし。

調べてみたら、両方とも映画として制作され、ディスクも売り出されているというから、タダで録画して得をした気分だ。
NHKの受信料はこういうときモトを取らなくちゃ。

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