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2018年6月 9日 (土)

自炊中

C000

"自炊" たけなわの「支那事変・戦跡の栞 (しおり)」 という本。
日中戦争のころ、陸軍画報社というところから刊行された本である。
ヒマつぶしでやってるもんだから自炊のほうは遅々としてはかどらないけど、日本軍とともに涿州市(たくしゅう)というところまで進軍してきた。
ここは三国志でおなじみの劉備玄徳のふるさとだそうだ。
とうぜん彼についての記述がある。
 
【彼は家では母親とともにムシロなどを編んで暮らしていたが、志ははなはだ大であり、性は勇武であった】
【身の丈が七尺五寸というのだから、いまの世ならば波止場の苦力をやっても、そうとうにイケるだろうし、またオリンピックの選手になるというテもある】
【彼は力のやり場に困って、高さ50尺の桑の木に旗飾りを立て、その木のまたにフンぞり返り、いまに見ろ、おらぁ龍車に乗ってみせるだと豪語していた】
 
ユーモアというにはちとぎくしゃくしてるけど、そのへんは軍隊が編纂した本の限界だろう。
それでもこんな調子でなかなかおもしろい。
 
ところでこの本は、その後の1983年に、国書刊行会というところから復刻出版されていることがわかった。
そんなものがあるなら苦労して自炊なんかせずに、それを買えばよかった。
手もとにあるボロ本はオークションに出して、復刻版を買う足しにするテもあった。
と思ったけど、たぶんそうはいかない。
 
わたしが自炊を始めたのは、親戚からタダでめずらしい本をもらってきたというのがきっかけで、新しい本をわざわざ金を出して買おうという気にはならなかったはず。

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