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2018年7月15日 (日)

秘境×鉄道

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昨夜はBSで「秘境×鉄道」という番組を観ていた。
鉄道による海外の紀行番組で、案内役はくたびれた関口知宏クンに代わって、若手の古原靖久クン。
個人的には仲川希良ちゃんあたりがやってくれるともっといいんだけど、世界の秘境にある鉄道に乗るのが目的の番組なので、若い娘が案内するには危険すぎるってことなんだろう。

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今回の秘境はシルクロードというから、わたしの行ったところが出てくるかと思ったら、同じシルクロードでも中国から国境を超えたタジキスタン、カザフスタン、キルギスタンといった中央アジアの国々が舞台だった。
中国の新疆ウイグル自治区もそうだけど、これらの国はみんなイスラム国家で、風景や女性の服装をながめているかぎり、新疆とほとんど変わらないから、ついなつかしい気持ちで観た。
ここに載せた写真は、すべてわたしのアルバムから。

わたしは新疆ウイグル自治区を旅しているころ、カザフ人やキルギス人も見たことがある。
中国は世界一の多民族国家ということで、自国の中にたくさんの他の民族を抱え込んでいるのである。
もっとも名札を下げているわけではないから、相手の民族籍がわかったのは、言葉のボキャブラリーが少ないわたしが、知り合った相手にやたらに出自はどちらでげすと尋ねたせいだ。

新疆で知り合ったウイグル人と話をしてみた。
彼は日本語ガイドをしていたから日本語はペラペラだ。
このへんには他の民族も住んでいるそうだけどと訊くと、カザフのやつらは山の上に住んでますという。
客観的な立場のわたしとしては、“やつら”呼ばわりにびっくりしたけど、中央アジアの民族感情がすこしは理解できたような気がした。

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その新疆にある天池という大きな湖に行ったときのこと。
この湖は高山のいただきにあり、周辺に住んでいるのはカザフである。
ウイグルが平地で農耕にいそしむのに比べ、カザフは山中で牧畜にいそしんでいるということだった。
これはあくまで中国国内のカザフの場合で、国境を越えたカザフスタンは日本の七倍の国土を持っているというし、いまではさまざまな仕事に従事し、都会に住む者も多いはずだ。

カザフは女性でもたくみに馬を乗りこなす。
もっとも山のなかでは、馬より便利な乗り物は思いつかない。
平地に住むウイグルは、みんなロバ馬車で、女性が馬にまたがっているのを見たことがない。
天池を見物に行って、わたしも馬に乗ってきたけど、すぐ下の写真はそのときの女性馬方さん。

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ウイグル人は日本人とはあきらかに容貌が異なり、インド系というか、パキスタンやアフガニスタン人のような顔をしている。
これに比べるとカザフ人のほうは、日本人、というか、モンゴル人のような顔が多かった。
もっとも中には金髪碧眼までいて、長い歴史のあいだの複雑な混合を物語っている。
昨夜の番組を観ていると、タジク、キルギスも似たような感じで、年配の女性なんか、そのまま日本に持ってきても違和感がないように思えた。

そんなキルギスには驚くような風習があって、嫁さんはみんな誘拐されてきたのだそうだ。
この奇習についてはこのブログにも書いたことがあるけど、仲川希良ちゃんあたりが行ったら、誘拐されて現地妻にでもされていたかもしれない。
でも誘拐されてきた女性も、現在は文句もいわず幸福に暮らしているみたいだから、げに女性心理はわからない。
下の写真は天池の近くの農村でみかけた女の子ふたりだけど、彼女らの世代はおしきせの結婚から脱却するのではないか。

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はっきりいって、最近のアフリカよりも中央アジアの国々のほうが遅れている感じ。
古原靖久クンは政治にまで踏み込まないけど、駅員や乗客のなかには顔をかくす者もいたし、馬に乗るカザフスタンの草原散策は軍人の案内つき。
仔細に観ると、まだまだ隠しごとの多い国々であるような気がして、それがなおさらわたしの興味をひく。
わたしが30年若ければ、今度はこのあたりをさまよっていたものを。
グローバル社会からずれていればいるほどおもしろいというのが、わたしの信念なのである。

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