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2018年8月15日 (水)

今朝の社説

終戦の日であるから、なにか書かなくちゃいけない。
それで無理を承知でムリやり書いたのが、今日のウチの新聞の社説。
よく読むとあちこちに破綻した部分があって、中学生の国語のテキストに使えそう。
おかしな部分を指摘しなさいって。

まず冒頭に、戦後73年をへてなお、日本はアジアでの和解をなしとげていないという文章がある。
これ、おかしい。
和解がなしとげられていない国があるとすれば、例のふたつの国だけで、ほかの大半の国とはもうとっくになしとげられているではないか。
日本の自衛隊が寄港すると、フィリピンや台湾、ベトナムなんか日の丸を振って大歓迎だ。

未来志向の関係を築くために積極的に貢献することも必要だろう。
これもおかしい。
この文章のほかのところに、いまやアジアから日本を訪れる観光客は年間2400万人、研究者や留学生の交流も拡大してきたとある。
これでも日本は積極的に貢献していないだろうか。
中国なんか、訪日して日本の良さに気がつく一般大衆が、どんどん増えている状態ではないか。

日本と中国の関係に警鐘を鳴らしたといって、作家の堀田善衛の文章がひきあいに出されているけど、これもおかしい。
作家がこれを書いたのは1959年である。
わたしがまだ小学生のころでなんてことはどうでもいいけど、その後の日中和解、ソ連の崩壊、冷戦構造のうつろいなど、歴史は目まぐるしく変化してきた。
堀田善衛をけなすわけじゃないけど、最新の現代を論じるのに彼を引っ張り出すのはおかしいではないか。

韓国の人々には、分断がなんで日本ではなく自分たちなのかという疑問があるとも。
原因は日本の植民地主義にあると考えているそうだけど、これもおかしい。
戦後になってさえ、韓国では自国を2分するような血まみれの内乱が起きたし、国内の左右の対立はいまでも続いている。
彼らにもっと協調する気持ちと、強者にひれふさない伝統があれば、日米と協力して、武力を使わずに正恩クンを干しあげ、とっくに南北の統一もなしとげられていただろう。

だいたいこの社説は、もっと建設的な役割をといいながら、いっぽうで日本はアジアの発展と平和のために貢献してきたとか、日本はすでにTPPを維持する実績をつくったなどと、矛盾したことをいっている。
これ以上いったいなにを望むのか。
社説に書いてある注文は、とっくに日本政府が実践していることばかりではないか。
なんでもいいからでっち上げろなんてムチャをいうから、こういう大新聞らしからぬ社説になるのだ。
国語と歴史を同時に学べるということで、中学の教材には適切だけど。

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