また「モア」
家のブルーレイ録画機がイカれた。
わたしにとって情報収集のために必要不可欠の機械なので、すぐさま新しいものを購入した。
値段は4万円くらいだから、そんなに高級品でもないけど、こういう機械も安くなったなあ(同時に小さくなった)と思う。
むかしならテレビの録画機がこんな値段で買えたはずがないと、VHSから8ミリビデオ、DVDまでの流れを知ってるおじさんは、しみじみ感慨にふけってしまう。
このあいだまで使っていたBD録画機は、むかしDVDで保存した映像を観ようとすると、縦横比が変わってしまうという欠点があった。
新しい機械ではどうかという実験のために、たまたま引っ張り出したDVDが、古い映画で「モア」。
最近の若者にはわからんと思うけど、ピンク・フロイドが音楽を担当したアレである。
今回の録画機では縦横比も調整できるので、その点は文句がなかった。
DVDだからもちろん画像はBDより粗いけど、ちゃんとしたサイズで観られるというだけで、映画好きにはありがたいのである。
前置きが長くなったけど、ついしみじみと最後まで観てしまった「モア」。
この映画については、以前にもこのブログに書いたことがある。
とくべつに素晴らしいわけじゃないけど、青春の思い出を回顧させてくれる映画、というのがわたしの感想だった。
劇場で初めて観たのが、わたしが20代のころで、いまのわたしはそろそろ棺桶に片足つっこむ歳だ。
なつかしい気持ちはいよいよつのる。
映画は、まじめな青年が麻薬におぼれて破滅するまでを描いたもので、彼に麻薬を指導するヒッピー娘が、すっぽんぽんをいとわないミムジー・ファーマー。
ヒロインを観てるだけで退屈しない映画もあると書いたことがあるけど、これもそのひとつだ。
マリファナやLSDに興味はあるけど、じっさいに体験する勇気のないわたしみたいなヒッピーかぶれには、代わって体験してくれるような映画だった。
映画の主舞台はスペインに近い、地中海にあるイビザ島というところ。
風光が明媚で、自由な雰囲気と独特の民族音楽などで、当時からヒッピーたちのたまり場として有名だったところだそうだ。
行ってみたいなと思ったけど、若いころのわたしには金がなく、行けるほど金ができたころは、もうヒッピーやってる歳じゃなかったし。
ネット上の映画評のなかには、だらだらしていてつまらないというものもあったけど、わたしはあらためて観て、それが最近のアップテンポでせせこましい映画に比べたら、かえってちょっとした文学作品にあたったみたいで、好ましいと思えるようになった。
同じ映画でもそれを観る人の重ねた年月が、評価をプラスにさせてくれることがあるものだ(逆のほうが多いんだけどね)。
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