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2018年8月 4日 (土)

よみがえる景色

失われたものは2度と帰ってこない。
たとえばわたしの記憶にある郷里の田園風景や、幼いころに通った小学校の校舎など。
写真でも撮っておけばよかったと思っても、たいていは手遅れだ。
そんなむかしでなくても、わたしたちの周囲で、大型店の進出ですたれた商店街、景気の変動に乗りおくれて身売りした工場、新たな開発のおかげで埋め立てられる山河など、見なれた景色の消滅は現在進行形のかたちで進んでいるはず。

失われたものが帰ってくる場合もないじゃない。
たとえば原発事故で立ち入り禁止になった福島の村。
人がいなくなればたちまち草ぼうぼうで、イノシシやサルの跋扈する縄文の景色の復活だ。
でもこれは特殊な例で、縄文時代にわたしが生きていたわけじゃないから、自然愛好家としては興味があっても、ノスタルジーを感じるわけではない。

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となりの農家のおじさんが亡くなって、その家とまわりの樹木が一掃され、いまそこはがらがらの空き地になっている。
ところがグーグルマップをのぞいてみたら、その家が2015年当時のまま残っていた。
ほうっておくといつまた最新の画像に更新されないともかぎらないから、この農家のありし日の写真をこのブログに貼っておこう。
大沢村で生まれた人が30年ぶりにふるさとに帰ってきて、あれ、このへんにはこういうふうな家があったはずなのにと面喰らった場合、このブログが彼の記憶のよすがになるかもしれない。

自分の家のまわりの景色がどんどん失われていくとおなげきの詩人がいたら、グーグルマップは思い出のアルバムにもなる。
わたしなんか、せいぜいこの半年くらいの変化なのに、もう失われた農家に郷愁を感じているのだ。
写真に白い車が写っているけど、ちょいと買い物に出かけるたびに見かけた古いトヨタである。
この車か稼働しているのを見たことがなかった。

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