日本の行き方
わたしが心配していたのは、ゴーンさん逮捕に関してのフランス人の反応だ。
フランス人は日本の文化についてわりあい好意的に考える国民だけど、それでもまだ死刑制度のある野蛮なアジアの国というイメージを持っている人がいるかもしれない。
そうでなくても遅れた司法制度で、必要以上に大きな罪を被せられた白人同胞なんて、ゴーンさんの味方をする人が出てくるかも。
でもいまのところは、わたしが心配していたほどには、ゴーンさんを擁護しようという人はいないようだ。
やはりフランス人の中にも、いくらなんでも儲けすぎだと思った人が多かったのだろう。
良識的な国には、まだアメリカのような、極端な格差社会に反感をもつ人が多いということだ。
マクロンさんは何かいいたそうだけど、かえってフランス国民から非難されて、いまパリは大騒動になっているらしい。
フランスの代わりに、ウォール・ストリート・ジャーナルがゴーンさんを擁護するような記事を書いていたけど、あれはもともと格差容認のアメリカの新聞だから、ネゴトをこいても不思議じゃない。
わたしの視線は米国よりも欧州の先進国に向いているので、フランス人が格差を許さないという日本の行き方を支持してくれるのはありがたいことである。
おりしも今日の新聞の国際面に、米国の労働者の悲惨な境遇が載っていた。
例の錆びついた工業地帯、オハイオ州のGM工場で長年勤めていた労働者夫婦が、会社の都合であっという間にふたりともクビだ。
それでも社員の削減に成功した会社の株は上がる。
労働者の困窮をよそに、誰かのふところがうるおっているわけだ。
こんな社会に疑問をもたないほうがおかしい。
トランプさんの強引な手法で、格差がなくなるかどうかわからんけど、すくなくとも日本の対応には見どころはある。
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