また「石の花」
3月2日のこのブログで、「石の花」というバレエの、これは制作裏話みたいなドキュメンタリーだったけど、それをYouTubeで観て、興味があるのにロシア語なので意味がわからないというようなことを書いた。
ところがその後、ツァールスカヤ・ロージャと名付けられれたこのドキュメントには、正確な日本語の解説文がついていることがわかった。
ふだんは折りたたまれていて見えないけど、画面右下の小さな v 記号をクリックすると、ずらずらっと文章が表示されるのである。
おかげでこの映像の中に出てくるおじいさんが、「石の花」の振付師であるユーリ・グリゴローヴィチであることがわかってしまった。
かなり古くからのバレエの歴史に登場する人なので、わたしはてっきり故人かと思っていたのである。
しかしウィキペディアには死亡日時が書いてないから、まだ現在でも生きているらしい(いまなら92歳ぐらい)。
上記のドキュメンタリーの中には、若いころの彼の写真も出てくるけど、さすがにロシアのバレエダンサーで、現在の本人とは似ても似つかぬハンサムな人だった。
このドキュメントを観たおかげで、わたしはこのバレエをじっさいに観たくて仕方がない。
わたしが魅了されたのは、ヒロインの銅山の女王役を、ヴィクトリア・テリョーシキナというバレリーナが演じているもので、彼女はアスリートみたいな、ちょっときつめの美人だけど、初恋が忘れられないみたいに、初めて観た彼女の踊りが目に焼き付いてしまったのである。
このバレエを観たかったらまたロシアまで行かなくちゃいけないか。
でも考えた。
テリョーシキナさんの舞台は、グリゴローヴィチの生誕70周年を記念する特別公演だったようで、つまり現在ではロシアでも、それほどひんぱんに上演される作品ではないようだ。
おまけにロシアの専売特許みたいなバレエで、他の国のバレエ団で上演されることもないみたい。
これじゃわたしが、もういちどロシアまで出かけられるほど若くても、いつでも気安く観られるわけではない。
あこがれは永遠にあこがれで終わるのか。
そう観念したけど、でも考えると、グリゴローヴィチさんはもうよたよただ。
彼は世界的に有名な振付師だから、亡くなったら大きな話題になるだろうし、また記念の特別公演が行われるかもしれない。
すると彼の代表作として、演目は「スパルタクス」か「石の花」が候補だろう。
「スパルタクス」のほうはいまでもしょっちゅう演じられているから、ここはやっぱり「石の花」だな。
そのときモスクワまで観に行けばいいではないか。
と考えたけど、いまやわたしもよたよただ。
グリゴローヴィチさんか、わたしが先か、どうも縁起でもないことばかり頭にちらついちゃって。
| 固定リンク | 0
「舞台を観る」カテゴリの記事
- バレエ/イワン雷帝(2023.05.07)
- 血まみれのオペラ(2022.07.30)
- 闘う白鳥(2020.11.23)
- コジ・ファン・トゥッテ(2020.11.09)
- ホフマンの舟歌(2020.10.13)
コメント