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2019年5月25日 (土)

官能の女王

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録画した「ライモンダ」というバレエ、まだ全篇を通して観たわけじゃないけど、主役のヴィクトリア・テリショーキナというバレリーナさん、これミスキャストだよなあ。
彼女は「石の花」の銅山の女王役は素晴らしかったのに、この舞台ではどうもイマイチ。
わたしの独断と偏見でいわせてもらえば、チュチュ(白鳥の湖で知られるミニスカートの典型的なバレエ衣装)を着た、お姫さまのような役は彼女には不向きだ。
プリンシパルに任ぜられるようなバレリーナであれば、どんな役でもこなせなければいけないというのはわかるけど、究極の美を追求するわたしは、ほんのわずかの欠点にもうるさいのだ。

彼女はワガノワ・バレエ・アカデミーの出身で、この役を演じるまえに、そこの先生から、あなたは「石の花」の銅山の女王にふさわしいのに、なぜレパートリーにないのと訊かれたそうである。
この先生もよくわかっている。
「石の花」で彼女が演じたのは、人間に恋をする魔女のような存在で、体にぴったりフィットした全身タイツを着て、ちょうど平昌オリンピックのときのアリーナ・ザギトワのように、発散する異様なフェロモンで観ている男たちを悩殺せしめた。

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つまりテリショーキナさんはその容姿から、男たちの上に君臨する強い女子というのが適役なのだ。
黒皮のボディスーツにムチを持って、男をいたぶるSMクラブの女王なんてのはどうだろう。
このバレエと抱き合わせで放映された「マタハリ」というバレエを観れば、およそどんなドラマでもバレエにならないものはなさそうだから、あとはいい原作さえあればと思う。

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