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2019年6月20日 (木)

名演技

わたしは映画ファンなので、素晴らしい演技というのをいくつも知っている。
たとえば「ゾラの生涯」のポール・ムニ、「欲望という名の電車」のM・ブランド、「傷だらけの栄光」のポール・ニューマン、「アパートの鍵貸します」のジャック・レモン、「ニュールンベルグ裁判」のマクシミリアン・シェル、「博士の異常な愛情」のスターリング・ヘイドン、「黒部の太陽」の滝沢修と辰巳柳太郎などなど。
女優の場合は美人でありさえすれば点があまくなるので除外したけど、ここではわたしの記憶に残るもので、とくに演技についてインパクトのあった作品を挙げた(ついでにDVDを持っているものを)。
ま、歴史に残るような名画に出演している役者の演技は、たいていが素晴らしいものだ。

ところで、バレエダンサーと映画俳優の演技を比べれば、こりゃ映画のほうが素晴らしいのは当然だろう。
ダンサーは踊りが売り物であるのに対し、俳優は演技が売り物なのだから。

そういうわけでバレエの分野で、だれそれの演技が素晴らしいなんて文章を見つけると、ホントかよという気持ちがあったことも事実。

Ab

そんなわたしが、以前録画した「パリ・オペラ座350年ガラ」というバレエを観てみた。
ガラというのは全幕バレエのさわりの部分だけを集めて観せる、バレエ団のお祭りみたいなものだ。
なんだ、ダイジェスト版かと馬鹿にしていたけど、スター・ダンサーの踊りを要領よくながめるには、なかなか便利なものである。

この「350年ガラ」の中に、エレオノア・アバニャートというバレリーナさんが出てきて、「カルメン」と「椿姫」のさわりの部分を、ほとんど連続して踊っていた。
それを観てびっくりした。
「カルメン」では下着姿で、アタシと遊びたいの?
ほれ、ほれ、鬼さんこちらって具合のあばずれ女、「椿姫」では、ああ、アルマンさま、どうしてわたしをお捨てになるのという淑女を演じ分けていて、これって別人じゃないかと勘違いしたくらい。
バレエ・ダンサーの演技もあなどれないなと感心した。

てなことを書いたのは、じつは次回のBSプレミアム・シアターで放映されるバレエ「夏の夜の夢」に主演しているのが、そのアバニャートさんだから。
これはシェイクスピア原作のバレエらしいから、以前このブログに書いた、モンテカルロ・バレエ団の同作品と比較できるかもしれない。

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