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2019年7月31日 (水)

ロミオとジュリエット

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先日録画したロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」を観てみた。
日本向けサービスなのか、たまたまの偶然なのか知らないけど、主役の2人がふたりとも日本人なので、ちょっとこちらのイメージとちがうのが残念というか。
英国まで行って東京バレエ団の舞台を観せられているよう。

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ロミオを演じているのは、そのまえに放映された「フランケンシュタイン」で、主役の怪物を演じていた平野亮一クン。
彼はロイヤル・バレエのプリンシパルであり、背の高さであちらのダンサーにひけをとらない偉丈夫ぶりだ。
ただし顔つきは池田理代子さん描くところあまい王子さまとは異なり、わたしの見立てでは、ボリショイ・バレエのスパルタクス役なんかが似合いそう。
ロシアからオファーが来ないかしら。

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ヒロインのジュリエットを演じているのは高田茜ちゃんで、アップで見るとお人形さんみたいだけど、いかんせんタッパが足りない。
彼女にふさわしいのは、たとえば「くるみ割り人形」のクララや、「不思議の国のアリス」あたりだ。
子役のつとまるバレリーナは貴重だと思うんだけど、あっちこっちからオファーが来ないもんかね。

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だれがどんなバレエを踊ろうと、踊りさえ素晴らしければ文句がないはずだけど、あいにくわたしのロミオとジュリエットには、最初からある程度のイメージが確立している。
わたしは自分のそういうイメージを大切にする人間である。
だからロミオはレナード・ホワイティングのようであってほしいし、ジュリエットはオリヴィア・ハッセーのようで・・・・

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「ロミオと」は映画「ウエストサイド物語」の原作でもある。
しかし「ウエストサイド」のほうは、ニューヨークが舞台の現代ドラマに作り変えられているから、登場人物がリーゼントであったり、不良のロカビリー少女であっても文句はいわない。
平野クンと茜ちゃんの舞台も、設定を現代に変え、バルコニーではなく、納屋で愛をささやいたほうがよかったと思う。

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ものの本によると、「ロミオとジュリエット」は、ロシアが生んだバレエとしては「スパルタクス」と双璧とある。
ただしここでいう「ロミオと」は、ユーリ・グリゴローヴィチの振り付けによるボリショイ・バレエのもので、それと今回の英国版を比較してみると(ボリショイ版はYouTube で観られる)、差はかなり歴然。
ちなみにボリショイ版でジュリエットを演じているのは、わたしのイメージにまったく不足のないアンナ・ニクーリナさん。

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どちらもまず街の中で、ふたつに分かれた若者たちのいがみあいから始まるけど、ボリショイ版では男組みたいなバレエが勇壮で、最初から様式美がきわだつ、いかにもバレエらしい華麗なる振り付けだ。
英国版では出だしから大勢の男女がうろちょろして、これはまあ、当時の市井を忠実に再現しようとしたのかもしれないけど、バレエを観ているというより西洋のチャンバラ映画を観ているよう。
バレエらしからぬ雑多な印象は、英国版の最後までつきまとう。

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有名なバルコニーの場面も、ボリショイ版のほうがロマンチックだし、ジュリエットが薬を飲んで仮死状態になったあと、さまざまな思いが走馬灯のようにめぐるというのもボリショイ版で、このあたり幻想的でひじょうに美しい。
ただしこの映像では、オーバーラップという手法がかいま見られるから、舞台をそのまま捉えたものではない。
美しいと思う理由はカメラワークや編集に負うところもあるかも。

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ついでにもうひとつのロシア版「ロミオと」を観てみた(YouTubeで)。
こちらはマリインスキー劇場のもので、ヒロインはわたしにロボットみたいといわれたディアナ・ヴィシニョーワさんだけど、今回は
YouTube 経由だから、表情はあまり気にならない。
同じロシア版でも、こちらの振り付けはグリゴローヴィチではない。

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出だしだけを観ると英国版と同じような雰囲気だけど、バルコニーの場面や、主人公ふたりが相次いで死ぬ場面は、ボリショイ版にひけをとらない美しさ。
ロシアのダンサーは、わたしのイメージから大きく逸脱することがないのが大きいようで、わたしみたいな素人のおじさんでさえ美しいと思うのだから、これでは英国版は太刀打ちできないだろう。
「スパルタクス」と「ロミオとジュリエット」が、ロシア・バレエの至宝といわれる理由もよくわかった。
やっぱりバレエはロシアである。

ここに載せた写真は、最初の5枚以外はすべてロシアのもの。

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