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2019年9月29日 (日)

グレタちゃん

Gt01

この社会では有名になるとかならずケチをつけられる。
これは日本にかぎった傾向じゃないけど、ケチをつけるにも論理的な裏付けがあればまだ許せる。
しかし、たいていはたんなる嫉妬や欲求不満、無知からのいちゃもんだから始末がわるい。

たとえばスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(ちゃん?)のこと。
地球温暖化を止めてほしいという彼女の必死の訴えに、疑問を持つ人がいるのはわかる。
わたしもそうとうに疑り深い人間だから、16歳の少女にあんなことができるのか、ウラに彼女を操る組織があるんじゃないかと思うのは当然だ。
しかしこの問題では、この少女を揶揄する気にはなれない。
揶揄すること自体が、彼女と反対の側に立つ人たちの味方をすることになってしまう。

地球温暖化についてはいまだに意見がわかれている。
地球は過去にも氷河期や温暖期を繰り返してきた。
だから現在の気候変動も、地球の自然な営みで、そんなに心配する必要はないという科学者さえいる。
これは決着のついてない問題なのだ。
そういう問題にわたしたちはどう対処すべきだろう。

ひとついえるのは、こういう問題になるとかならず誹謗中傷が入り乱れることだ。
グレタちゃんの背後には温暖化防止を商売にする勢力があるかもしれないし、彼女の主張は先進国の発展を妨害する途上国の陰謀だという声もある。
疑えばキリがない。

でもこれは彼女を攻撃する側にもいえることだ。
企業の経営者や投資家などは、景気の下落を怖れており、商売の邪魔になるものを容赦しない。
「沈黙の春」で殺虫剤の害を告発したレイチェル・カーソンも、米国の製薬企業からいわれなき攻撃にさらされた。

わたしたちはキツネとタヌキの化かしあいにまきこまれないよう注意しなければならない。
どちらもお互いに自分たちの利益のために動いているというなら、このさい雑音は無視して、純粋に温暖化の問題だけに絞って考えよう。

二酸化炭素による温室効果というのは、一定のレベルを超えると、あとは加速度的に進行するという説がある。
つまり温室効果によって温められた地球は、ますます二酸化炭素を放出しやすくなり、放出された二酸化炭素はさらに温室効果を発揮するということだ。
こうなったらもう手遅れである。

地球温暖化がもしも事実だとわかったとき、迷惑をこうむるのはあなたではなく、あなたの子供たちなのだ(この問題に無関心だったり、ヤジを飛ばすだけのあなたはさっさと絶滅してもかまわない)。
グレタちゃんは、自分もそのひとりである子供の声を代弁したにすぎない。
彼女を揶揄するヒマがあったら、自分の子供のことを考えたらどうだ。

Gt02

温暖化のせいと断定はしないけど、いま極地の氷が減少して、その上で獲物を狩るホッキョクグマが絶滅の危機に瀕しているという。
これについてもそんなことはないという意見もある。
ナショナル・ジオグラフィックやWWFなど、信頼に足るマスコミの多くが報じていることなのに、それを信じない人たちは、自分に都合のいいことだけで自論を組み立てるカルト宗教と同じだ。

じつはわたしは独り者だし、子供もおらず、先行きも短そうだから未来のことを心配する必要がない。
それでもまだすぐには死にそうもない身内や親族がいるから、そうした者たちの未来をぶっ壊してかまわないというほど無責任じゃない。
飢えて行き倒れたホッキョクグマの死骸、それは明日の人類のすがたかもしれない。
家族のいる人、生まれたばかりの赤ん坊を抱く人、まだあと50年ぐらい生きる予定の人、老婆心ながら、わたしは君らの未来を案じているのだよ。

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