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2019年9月23日 (月)

アルツハイマー

留守電にメッセージが入っていた。
再生してみると、むかし同じ職場にいて、山登りなどもいっしょに行ったことのある、かっての同僚の声だった。
ひさしぶりの電話で、特段の用事があるわけでもないはずだから、あとでかけ直すという言葉をあてにして夜まで待ってみた。
ぜんぜん掛かってこないからこちらから電話をした。
本人が出た。

おい、電話しただろ、なんの用事だい。
え、電話?そんなものしてないよ。
だって留守電におまえの声が入っていたじゃないか。
なんかのまちがいだろ、いつの話?
夕方の4時ごろだから、まだ3時間まえだ。
その時間に電話なんかしてないよ、おかしいな。

本人に直接そういわれると、こちらも迷ってしまう。
わたしの聞きまちがいか、あるいはボケが始まったのか。
いくらか不安になって、さしさわりのない世間話をしたあと、電話を切った。

すぐにまた彼の奥さんから電話がかかってきた。
すみませんねえ、電話したのウチの人ですよ、わたしそばにいましたもんという。
はっきり認知症とはいわなかったけど、最近の彼はもの忘れがひどくなっているそうで、ようするにボケたのはわたしではなく、彼のほうだったというわけだ。

彼を知っているべつの友人に電話してみた。
おどろいたなあ、世間話をしたときはぜんぜんそんな雰囲気はなかったのにというと、そりゃアルツハイマーだなという。
会話をするとちゃんとまともな応答をするくせに、ほんの数時間まえのことをおぼえてられないのがこの病気だそうだ。
ちなみにべつの友人というのは、老人施設で運転手のバイトをしていて、日常的にそういう年寄りを見ているらしい。

やれやれ。
わたしにかぎってはそういうことはないぞ(ないだろうな)。
今日は何日だっけ・・・・・
あ、わからないよ。
わからない!
カレンダーを見ないと日にちがわからない。
ええとええと、おとといがパソコン同好会のあった日だから、その日は土曜日で、今月の第3土曜日はたしか
21日で、ということは今日はとややこしい計算をしないと答えが出てこない。
でもこれは仕事をやめて、毎日メリハリのない生活をしているせいかもしれない。

それでもひたひたとせまり来るものを感じてしまうよなあ。
アルツハイマーになったかっての同僚は、職場でヒマさえあれば重量挙げをしていたくらい健康に気をつかっていたのに。
そして山登りに行こうというわたしの提案に、まっ先に応じてきた男なのに。
もうすでに彼の魂魄は、肉体をはなれて、思い出のなかの北八ヶ岳あたりをさまよっているのかも。

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