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2019年10月25日 (金)

レイジング・ブル

Rb2

ちょっと古い映画ファンならたいてい知っているはずのボクシング映画に「レイジング・ブル」という作品がある。
若いころ、これを観てきた友人が、すげえ映画だよとほめていたけど、あいにくわたしは他人の映画評というものを信用しない男なのて、そのときはついつい見逃した。
それが先日テレビ放映されたので、いい機会だと、録画しておいてじっくり観てみた。

あらかじめの予想では、主人公のボクサーが努力してのしあがっていき、その合間に家族のきずなのようなものが描かれ、最後に宿敵との大勝負があって、その決着をつけたあと、はい、ジ・エンドという映画じゃないかと思っていた。
そうじゃなかった。
ボクシング場面もたくさん出てくるけど、それよりもヒーローらしからぬ主人公の生きざまに焦点が当たった、なかなか見応えのある映画だった。

主人公はジェイク・ラモッタという実在したボクサーである。
こういう映画を漫然と観てもつまらないから、ウィキペディアでいろいろ調べながら観た。
彼の経歴はおおむね映画に描かれたとおりで、なぐられてもなぐられても立ち上がってくるしつこいボクサーだから、レイジング・ブル(荒れ狂う雄牛)と呼ばれたそうだ。
ボクサーをやめてからは、コメディアンをしたり、バーの経営をしたこともあるそうだから、ちょっと異色のボクサーである。

チャンピオン戦の資格を得るために、マフィアと取引して八百長をしたことや、バーを経営しているとき、客に未成年の娘を紹介してムショ暮らしをしたことがあり、映画はそういう場面まで忠実に描く。
ホントかよと思うのはわたしのわるい癖で、ひょっとするとウィキペディアの記述が、映画の脚本に影響されてんじゃないかと心配になる。

彼は史上最高のボクサーとされるシュガー・レイ・ロビンソンと6回も試合をしており、特に最後の闘いとなった1951年の試合は、セントバレンタインの虐殺と呼ばれるほど凄惨なものであったそうだ。
映画でもこの場面は、主人公が血まみれになるほどすさまじいものだった。

それを観ていてふと思ったけど、この13回TKOとなったラモッタ、ロビンソン戦て 、後世にのこる名勝負だったらしいから、記録映像が残っているんじゃないか。
そう思って調べてみたら、図星で、最初から最後まで、ほぼ完全な映像が
YouTube に上がっていた。
ただし、じっさいの映像を観るかぎり、映画ほど血なまぐさいものではなかったようである。

主役を演じたロバート・デ・ニーロは、この映画でアカデミー主演男優賞をもらった。
演技もいいけど、たまげたのはデ・ニーロの激変ぶりだ。
ボクサー時代はいかにもボクサーらしいスマートな体型なのに、廃業したあとはお腹の出た中年太りのおっさんになってしまう。
じつはこの映画の最大の見せ場は、このデ・ニーロの肉体改造ぶりにあり、それが彼にアカデミー賞をもたらしたのである(とわたしは思う)。

しかしいくら役者でも、そんなに簡単に太ったり痩せたりできるものなのか。
まだCGのない時代だから、太ったシーンは腹にさらしでも巻いているんじゃないか。
あいかわらず疑い深いわたしはそう思ったけど、太ったおっさんのデ・ニーロが裸になる場面があって、そんな細工はしていないことがわかった。
ボクサーというのは減量に苦労するらしいけど、ホント、この映画はそれをリアルに見せてくれる。

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