ポプラの綿毛
いい天気なので散歩に出かけようとして、小さな公園のわきを通りかかった。
ここはいつも白い綿毛のようなものが飛び交っているところだ。
いまの季節だと、ひょっとするとアレじゃないか。
このあいだまで住んでいた大沢村の散歩コースのわきにハコヤナギ、これはようするにポプラのことだけど、それが生えていて、やはりいまの季節に、天使の鱗粉のような綿毛を盛大にふりまいていた。
ただしポプラには綿毛を生じるものと、そうでないものがあるみたいで、わたしがこの綿毛に気がついたのは、もうけっして若くないシルクロードを旅したころのことだった。
中国の新疆ウイグル自治区にはこの木がひじょうに多く、あちらでは白楊と呼ばれる。
ほかに樹木のあまりない土地だから、この木の記憶はいまでも鮮やかだ。
そういうわけで、小さな公園のハコヤナギは、連想ゲームのようにわたしを、わたしの人生がいちばん輝いていたむかしにいざなう。
最近のわたしって、仙人が霞を食べて生きているように、思い出ばかりを食べてるね。
いちおうコンビニのカツサンドも買ってはありますが。
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