Sadeh21
昨日の夜はコンテンポラリー・ダンスのてんこ盛りだった。
3時間か4時間にわたって、とんがったバレエが三つ続けて放映された。
アクラム・カーン版の「ジゼル」と、「ラストワーク」は以前観たものの再放送だったけど、「Sadeh21」という舞台は初めて観た。
どうもわたしには現代芸術というものが理解できないらしい。
彫刻でも現代彫刻となると、これってただ奇をてらっただけの造形じゃないか、そうか、現代彫刻というのはアイディアが勝負なのかと考えてしまうことがある。
「Sadeh21」を観ても、どうも感動とはほど遠く、ひょっとするとこの先になにかヒワイな表現でもあるかと、それだけを頼りに最後まで観てしまったような感じ。
ダンサーたちがいろいろなポーズをとって、まあ、そのへんはしろうとにはなかなか真似できないことだけど、意味もストーリーも、官能的な部分もさっぱりないから、これじゃNHKのみんなの体操と変わらないじゃんと思う。
ようするに、いかに新しいポーズや動きを考えつくかってのが、現代舞踊の現代的である由縁なのか。
せめてダンサーたちが、ロシアのバレリーナのように美しければまだ我慢できる。
でもこれは胸が大きすぎるとか、足が太すぎるという理由でダンサーの道を断念した女性たちに、ひょっとしたらと夢を抱かせるバレエなのかもしれない。
数週間まえに放映されたミハイロフスキーの「ラ・バヤデール」のほうは、もうバレリーナからして別種の生きものだったけど。
それでも開演まえの劇場をみると、観衆がいっぱいだった。
みんなわたしと同じように、最後まで観ればなんかおもしろいことがあるんじゃないかと期待した人たちなんじゃないか。
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