もの忘れ
わたしは記憶力がよくない。
人に会ってもなかなか顔をおぼえられないし、名前なんか(相手が若い娘でもないかぎり)3日で忘れる。
生来のそういう性格に加えて、最近は老人ボケも始まったみたいで、ホント、不安よ、不安。
でも広い世間にはわたし以上に忘れっぽい人もいるみたいだ。
ロシアでいま大統領の任期を延長可能にするための国民投票が行われている。
まえのアパートに住んでいたロシア人も、とくに理由もないのに、プーチンはクソだなんていっていたから、結果はどう転ぶかわからない。
もし結果が敗北なら、プーチンはいさぎよく辞めるだろう。
民主的な選挙の結果を尊重することを、彼はこれまで率先して模範を示してきたのだから。
問題は、そういうふうに国民の民意がモノをいうロシアは、だれのおかげで誕生したのかということだ。
わたしはゴルバチョフからエリツィンにかけてのロシアが、不正と暴力におおわれて、国民が苦しんだ時代をよくおぼえている。
プーチンがいなかったら、ロシアはいまだに悪徳政治家と財閥が支配する国だっただろう。
にもかかわらず、当のロシア人が、あいつはもう長いから辞めさせろと、どこかの民主主義国みたいなことをいっている。
人間は過去を忘れるのがあたりまえの生きものなんだろうか。
それでも中国の指導者は、ロシアの悲惨だった過去をよくおぼえているようだ。
いま香港問題でゆれているけど、この国も以前なら戦車が出てきても不思議じゃない国だったのだ。
現状を冷静にながめると、そういう国がなんとかグローバル基準から逸脱しない範囲で騒動を収めようとしているように見える。
忘れっぽいのは一般国民のほうらしい。
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