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2020年8月 9日 (日)

ポスターの比較

しつこいけど、守鍬刈雄(スグワカルオ)クンのYouTubeチャンネルについて、もう1回だけ書かせてもらう。
彼は「
2001年」の映画ポスターについても考察しているんだけど、これを見てわたしはますます迷った。
この人はほんとうにふざけているだけなんじゃないか。
じつは彼はひじょうに優秀な地球外生物で、いまだヒトザルの状態にある人類をからかっているだけじゃないかと、そう思える節があるのだ。

とにかくその考察というのが、ヘタな漫画よりずっとおもしろく、ヒマなときに読むとおおいに楽しめる。
こんなおもしろいものを知らない人がいたらもったいない。
で、わたしは彼のサイトをユーモアチャンネルとみなして、おおいにプッシュしてしまうのだ。

2001_20200809110601

2001年」のポスターは、米国版と日本版では構図が異なる。
まずアメリカ版のポスター(右側)の考察だけど、守鍬クンのそれは微にいり細をうがつというくらいで、考察するまでもないようなことまで考察しているのがもう抱腹絶倒。

でも、やっぱり最初にことわっておくけど、ここで彼は映画タイトルの Odysseyという言葉に触れている。
とうぜんギリシア神話が出てくるかと思ったら、ただ冒険とか旅とかしか訳さないのは物足りなかった。
しかしそれはわたしの知能が特別に優秀というわけじゃない。
わたしは彼より(たぶん)数十年以上は、余分に本を読む時間があったのだ。

ポスターに描かれている宇宙ステーションは、これはたぶん映画の初めのほうに出てくるものじゃないかと守鍬クンはいう。
じゃないかって、アノネ。
そのかたちや、スペースシャトルが出入りしているのを見て、そうではないという人がひとりでもいるだろうか。
宇宙ステーションの背後に描かれている巨大な半円形の星については、これはおそらく地球でしょうともいう。
おそらくじゃないでしょう、アンタ。
この映画を観れば、だれだって地球以外の星であるとは思わないはず。

2001x

映画を見ればわかるけど、この宇宙ステーションはまだ部分的に建造中である。
ポスターでは建設中のステーションの一部も見えるんだけど、それについても、これはなんだろうと考える。
車輪がふたつ並んだかたちをべつな方向から眺めれば、ステーションの一部があんなふうに見えることもあるって、これは子供の知能テストだな。

宇宙では反射の要素がないから、光は直線的になるので、宇宙ステーションにこれこれこういう影ができなければおかしいと科学的なことをいう。
まちがいとはいえないけど、地球がこれだけ近ければ、その反射光は満月とは比較にならないくらい大きい。
こうなると光が一方向から来るとはいえないし、宇宙ステーションの乗客は、地球の反射光だけで、新聞ぐらい読めるんじゃないか。

いちばんおかしかったのはアメリカ版と日本版のポスターの比較だ。
ご丁寧にモニターに二つのポスターを同時に表示させて、比較しながら彼はうーんと考える。
ちょっと絵を見慣れた人なら、両方とも同じ原画を好きにトリミングして、構図を変えただけということがすぐわかるのに、彼は反転させたのかな、でも色がすこし違うな、べつにまた描いたのかしらと悩む。
ようやく日本版は米国版を、90度傾けただけという結論を出すころには、宇宙船なら行程の半分くらい行ってしまってるワ。
このへんはチャプリン映画顔負けにおかしくて、ほんとうに冗談でやっているのかと思ったけど、考察しながらいちいち小さな声でつぶやいているところをみると、本気で悩んでいるらしい。

Sk01

ここでわたしは思った。
守鍬クンというのは若いころのわたしそのものじゃないか。
自分の趣味の範囲内にはめっぽう強いところがあるくせに、余計なことばかりに頭を使って、どこか抜けている。
自分の描いたイラストを動画として活用するのはいいアイディアだけど、これをひんぱんに
YouTubeに上げるのはけっこう大変だ。
そんな大変な仕事をひとりでこつこつやるというのも、わたしの若いころにそっくりだ。
ただ、いくら凝ってもわたしの時代には、それが出版社にでも売れないかぎり、お金を稼ぐ方法がなかった。
守鍬クンが
YouTubeでいくらかでも稼いでいるとしたら、彼は幸運な男である。

ということで、彼のYouTube映像に対するいちゃもんは終わり。
これはいちゃもんというより、補足説明と思ってほしい。
つまり漫才のボケとつっこみ役の分担だな。
わたしは彼とコラボをしたつもりで、それはとっても楽しいことだった。

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