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2020年8月24日 (月)

満州のむかし

夜になるとYouTubeで音楽三昧だ。
昨夜はまた「満州の丘の上で」というロシアのワルツが聴きたくなって、
YouTubeを探してみたら、この曲を愛する人は多いとみえて、あるわあるわ。
全部聴いていたら朝までかかるんじゃないかと思えるくらい、いろんな歌手、楽団による演奏がアップされていた。

A001a

そんな中に、演奏の背後になにかの映画から引っぱってきたような映像が流れるものがあった。
ロシアの戦争映画らしいけど、音楽のために制作したにしては手が混んでいるから、ちゃんとしたもとの映画があるらしい。
満州の丘といえばだれだって日露戦争を思い浮かべる。
ロシア側から見た日露戦争の映画があるなら見てみたい。

そこでネットのリレー検索機能を活用して、いろいろ調べてみたら、この映画はロシアのテレビ番組として制作された、2017年の「アンナ・カレーニナ」であることがわかった。
「アンナ・カレーニナ」といえばトルストイの、超有名な小説である(読んでないけど)。

YouTubeにはこの映画がそっくりアップされていた。
テレビシリーズだから5時間半もある。
しかしラブシーンをみたいわけじゃないから、いくら長くても早送りで見ればいい。
早くても遅くても、どうせ字幕がないから意味はわからんのだ。
それじゃあなんのために見るかと訊く人がいるかもしれぬ。
そりゃ好奇心だね。
満州の丘、つまり日露戦争が出てくるロシア映画があるなら、満州の部分だけでも見てみたいのだ。

それにしても「アンナ・カレーニナ」と満州の丘は結びつけにくい。
小説はまだ帝政時代のロシアが舞台で、浮気の好きなロシアのオンナの人が浮気をする話のはず。
時代的には合ってるけど、日露戦争なんか出てきたっけか。

ウィキペディアに当たってみた。
わかったことは、小説のほうは日本と戦った戦争ではなく、トルコとの戦争が背景になっているらしい。
それがどうして日露戦争になってしまったのか。
最近ロシアの若い娘がみんな日本に行きたがって困るから、ラブロフさんが釘を刺すために、日本はコワイ国だぞと国策映画のつもりで作ったのかしら。

A001c

わたしが見たかったのは満州が出てくる場面だ。
映画ではサンクトペテルブルクの豪奢な貴族の生活と、満州に送り込まれた兵士たちの悲惨な生活が交互に描かれる。
あちらの映画は時代考証がしっかりしているから、ここに描かれた満州の田舎は、かっての農村風景が忠実に再現されているようだった。
じつはわたしの両親は満蒙開拓団のメンバーだった人で、わたしは母親に当時の生活について聞いたことがある。
この映画に描かれた風景は、でたらめでも誇張でもないようだ。
粗末なワラ葺き屋根や、土で固めてひび割れたた壁など、当時の日本人が見たって貧しいとしかいえない生活である。

この映画ではロシアの軍人と中国人の少女の交情も描かれていたけど、少女の衣服といったら、動物の皮をつなぎ合わせた粗末なコートに、腰にヒモを巻いただけという格好だった。
わたしには中国人をさげすもうという意識はないつもりだけど、自分たちより貧しい人間をバカにする人間はどこにでもいるものだから、こんな光景を見て、ひどい生活をしてやがんなと思った日本人は多かったのではないか。
しかし、現実は現実として、当時の中国や朝鮮の農村が、こういう状態であったことは銘記しておいてほしい。

この映画に日本軍は、最後にほんのすこし出てくるだけである。
軍旗である旭日旗を押し立てて襲撃してきて、ロシア人はあわてて退避するんだけど、史実どおりならここはロシアの機関銃が火を吹き、日本兵はばたばたとなぎ倒されなければいけない。
そういう点ではこの映画の満州の部分は、騎兵隊とインディアンの戦争を描いた荒唐無稽な西部劇とたいして変わらない。
でも、そんなことはどうでもいいのだ。
わたしに興味があったのは、あくまで満州の部分、その背景
だけなので。

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