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2020年8月 5日 (水)

橋立鍾乳洞

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列車でもバスでも船でもそうだけど、自分はどっかと椅子に座り、景色のほうが流れていくという状態が好きである。
むかしシルクロードを旅したときは、長距離列車にいすわって、それこそ6時間でも12時間でも飽きずに景色を眺めていた。
ときどき別の乗客がやってきて、日本人とわかるとうるさく話しかけてくる。
せっかく景色を楽しんでいるのに、クソがあと思ったものである。

最近はひきこもりが多く、精神的にも内向するばかりだから、昨日はひさしぶりに西武線で秩父まで往復してきた。
もよりの駅から秩父まで片道
780円なので、リフレッシュするための費用だと思えば高くない。
とちゅうに景色のいいところがあったら、気のむくままに下車して散策してもいいんだけど、この沿線に詳しくないので、乗り鉄、もしくは撮り鉄専門で終わっても、部屋にいるよりは気分転換になるはず。

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というつもりで出かけたものの、やはりぜんぜん目的がないのもつまらない。
調べてみたら、秩父からすこし先にに浦山ダムというものがあり、その近くに鍾乳洞があるという。
ついでに歩くていどなら問題ない距離らしいので、そこへ行ってみることにした。

秩父市内で秩父線に乗り換え、浦山口というローカル色いっぱいの駅で列車を降りる。
秩父は
34ケ所の札所めぐりでも知られているところだから、この近くにもいくつかの札所があるらしかったけど、この駅から歩き出したのはわたしひとりだ。
これならステキに孤独な山歩きが楽しめるかもしれない。

集落をはずれると墓地があって、お墓分譲中の看板が出ていた。
墓なんか欲しいと思ってないくせに、あたりの環境が静かな点が気にいって、こういうところに葬られるなら悪くないと思う。

墓地を過ぎるとほんとうにひとりぼっちの林道歩きになる。
右下に渓流が流れているのが見える。
そういえば駅を出てすぐに◯◯キャンプ場という看板も出ていたから、休日ならこのあたりは混雑するのかも。
しかし平日では人っこひとりいるでもなし、鍾乳洞までは近いらしいけど、このようすじゃ飲み物の自動販売機もないかもしれない。
水筒も用意してないからしくじったかなと思った。

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しかしまもなく車も通れる道路に出て、なんと道ばたに、営業中というカフェの看板まで出ていた。
到着してわかったけど、目的地は秩父
28番札所の「石龍山橋立堂」というお堂になっていて、平日でも参拝者がけっこう多く、茶屋やカフェまであるところだった。
お堂の背後は見上げるような絶壁になっていて、なかなかご利益がありそうである。
鍾乳洞にも入ってみたけど、ただのせまい洞窟で、天井からぶら下がった石筍もあるわけでなし、腰をまげて登ったり降りたりするのは、運動不足のじいさんにはちと辛かった。

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洞内の撮影は禁止である。
ここに載せたのは、たまたまつまづいて、ショックでシャッターが切れてしまったのだと言い訳しておく。
幸いなことにストロボは点灯しない設定にしてあったから、光をきらう生き物に影響はないと思う。
よい子のみなさんは、むやみにつまづいてはいけませんですよ。

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腹が減っていたので、堂のまえの広場にある茶屋で手打ちソバを食った。
店は古民家のような建物で、ススぼけた茅葺きの天井を、内側から見上げられるユニークな造りだった。
客もけっこういたけど、車で来られるのだから、歩いてきたのはヒマ人のわたしだけのようだった。
お堂のまえにはほかにも数軒の茶屋があり、なかには「JURIN`s GEO」という、名物コーヒーや、美味しそうなアイスクリームを出す店もある。

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ふたたびローカル線の駅にもどる。
列車は1時間に1本だから注意すること。
最後の写真はローカル線駅のすぐ裏にあった祠で、最新こんなふうに鳥居のならんだ景色は外国人に人気があるのだから、もうちっと手入れをすればいいのにと思う。

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