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2020年11月 2日 (月)

クララ・ペタッチ

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クララ・ぺタッチという女性を知っているだろうか。
おそらくいちばんよく知られている彼女の写真がこれだ。

彼女は第二次世界大戦のときの、イタリアの独裁者ムッソリーニの愛人だった人で、戦争の末期にムッソリーニとともに逮捕されて処刑され、ミラノの広場で逆さ吊りにされた。
残忍な写真だけど、このときムッソリーニも彼女もとっくに死んでいたから、死んだあとの肉体なんかどうでもいい主義のわたしには、まあ、それほど悲劇性は感じられない・・・・

どうして急に彼女のことが気になったのかわかんないけど、昨夜はペタッチさんについて、その死にぎわを考えてみた。
じつは彼女は、助かろうと思えば助かる可能性があった。
彼女はムッソリーニの愛人だっただけで、政治に加担したわけではない一般人だったから、処刑されるいわれがなかった。
ムッソリーニ自身も、おれといっしょじゃ危険だ、おまえは実家に帰れといったらしいし、親戚たちもムッソリーニと別れてあとに残るよう勧めたらしい。

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しかし彼女はその言葉に従わなかった。
愛する人と最後まで行動をともにしますといって、言葉どおり最後までムッソリーニに従った。
ムッソリーニが処刑されることになったときも、彼を殺すならわたしもいっしょに殺せと・・・・このへんはわたしの想像だけど、多分そんな事情があったと思われる。

ムッソリーニという人は、現代のわたしからみると、そこまでモテるかと疑問を感じるところがあるけど、日本にだってぜんぜんモテるタイプではないのに、その御威光でもって信者の娘をはらませた尊師という人物もいた。
タデ食う虫も好き好きってこともあるし、いちどは国家権力をにぎった男でもある。
女性がそういう男を好きになるのは当然として、ペタッチさんが貞女の鑑であったことも間違いないようだ。

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ネット上には逆さ吊りにされるまえに、ミラノの広場に無造作に積まれたファシストたちの死体の写真もあり、彼女の死体のうえに、死をともにするほど愛したムッソリーニの死体が重なっている。
もはや痛みも苦しみもない世界で、彼女はうしろを振り返っただろうか。
彼らを吊るせと熱狂する群衆は、すこしまえにはムッソリーニとその政党を支持する人々でもあったのだ。

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