ジェニーの肖像
ディジー・ガレスピーという人がいた。
あ、知ってる、知ってるという人がいたら、その人もわたしといっしょで、棺桶に片足つっこんだ人だ、気のドクな。
パーカー、ミンガス、モンク、ブレイキー、マイルスなどと同様、バップと呼ばれた英雄たちの時代の、伝説的なジャズメンのひとりなのだ。
木の実をいっぱいにほおばったリスみたいに、ほっぺをまん丸くふくらませで、あさっての方向を向いたトランペットを、豪快に吹き鳴らす彼のことを覚えている人も、ん、もうだいぶあの世行きになっただろうな。
ただ、どっちかというと陽気でネアカなタイプ。
深刻な顔をしたジャズメンが好きな日本では、マイルスやモンクのうしろに隠れがち。
わたしもそうで、ウツの状態のときには聴く気がしなかったって人だ。
2、3日まえにYouTubeを聴いていたら、なんの因果か、たぶんほかの関連項目からたどって来たんだろうけど、「ジェニーの肖像」という彼のアルバムが引っかかった。
その冒頭の演奏が、彼にしてはえらいスローテンポで、抒情的な曲で、目のまえのウロコが落ちたよう。
ああ、またひとつ、生きているあいだに聴けてよかったという曲を発見。
今夜もこれから朝までパソコン三昧だから、またそういう曲を知ることになるかも。
しみじみと、生きていてよかった。
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