ボルトン回顧録
「ボルトン回顧録」を読んでいるけど、おもしろい。
といったらキザといわれそう。
硬そうな本だ(ハードカバーだからもちろん硬い)。
これでもかというくらい文字を押し込んであって、一瞥しただけで読書ギライに敬遠されそうな本である。
内容は一期で終わったあのトランプさんの政治について、その政治に関わった官僚のひとりが、内部からその政治について暴露した本である。
むかしから暴露くらいおもしろいものはないというので、いまでも芸能人やスポーツ選手などの暴露ネタは、女性や無分別な輩にとっても人気があるものだ。
わたしはまず登場人物のデータベースを作ることから始めた。
ケリー、マティス、マクマスター、フリン、バノン、ポンペオ、クシュナー、セッションズ、ハガティ、マクナニー、まだまだいるけど、彼らはみんなつい先刻まで “そこにいた人たち” である。
しかしカタカナ名を聞いただけでは、どれが誰なのかすぐに判別しにくい。
ティラーソンがヘイリー向かって、黙ってろ、おまえはただのスケベ女だといったという文章を発見すると、ただのスケベ女ってのはどんな顔をしているのかと知りたくなる。
こういうときにDBが作ってあれば、ただのスケベ女の顔もすぐにわかるのである。
さいわいなことにネット上には、トランプさんの閣僚・重要ポストの経歴を記したサイトもあって、それはおおいに参考になるけれど、重要なのは、とくに気まぐれトランプさんの下では、だれがいつ辞めたか、クビになったかが、すぐわかるようにしておくことだ。
というわけでわたし専用のDBが必要なのである。
最初のうち、凍りついたシベリアの凍土のようにとっつきにくい本だったけど、いったんそれを突き崩してしまえば、俄然おもしろくなる。
いまイランとの核合意から米国が離脱するところや、北朝鮮との曲折のあったシンガポール会談のあたりまで読み進んだところだけど、このあたりはヘタなサスペンス小説顔負けのおもしろさ。
わたしはこれまでトランプさんのことを何度かブログに書いてきた。
たとえば17年8月2日の記事とか、18年5月28日の記事とかで、そのとき外側からながめた事件のてんまつを、今度は政権の内側からながめて、符丁の合い具合を確認しているところ。
目がはなせないね、ホント。
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