春雷
おー、ますます図に乗っちゃうな。
また一句。
春雷とほく 辛夷の雨を 切り裂きて
たったいまピカリと光ったところ。
なんかいい写真がないかと古いアルバムをあさってます。
いい写真が見つからず、そのかわりにずっとまえに引用した田中冬二の「鷽鳥」という詩を思い出した。
時期的にもふさわしいので、もういちどそれを思い出してもらおう。
雨降れ 雨降れ と
山で鷽が雨をよんでゐる
山は雨になる
峠の雪が消えはじめる
その雪の中に かたくりの花が咲いてゐる
雨降れ 雨降れ と
里へ来てまた鷽が雨をよんでゐる
里は雨になる
雨に障子をとざしている家
軒下で鶏があそんでゐる
あんずの花がさいてゐる
その花が鯉を飼ってゐる池の面にうつってゐる
麦は八九寸にのびてゐる
あんずの花の中で鷽がないてゐる
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