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2021年3月13日 (土)

春雷

おー、ますます図に乗っちゃうな。
また一句。

  春雷とほく 辛夷の雨を 切り裂きて

たったいまピカリと光ったところ。
なんかいい写真がないかと古いアルバムをあさってます。

いい写真が見つからず、そのかわりにずっとまえに引用した田中冬二の「鷽鳥」という詩を思い出した。
時期的にもふさわしいので、もういちどそれを思い出してもらおう。

 雨降れ 雨降れ と
 山で鷽が雨をよんでゐる
   山は雨になる
 峠の雪が消えはじめる
   その雪の中に かたくりの花が咲いてゐる
   雨降れ 雨降れ と
   里へ来てまた鷽が雨をよんでゐる
   里は雨になる
   雨に障子をとざしている家
   軒下で鶏があそんでゐる
   あんずの花がさいてゐる
   その花が鯉を飼ってゐる池の面にうつってゐる
   麦は八九寸にのびてゐる
   あんずの花の中で鷽がないてゐる

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