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2021年7月 9日 (金)

パーシビアランス

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図書館でナショナル・ジオグラフィックの3月号を借りてきた。
この号の特集は「火星」。
おもしろそうだから借りてきたけど、じつは新しい事実はあまりない。
わたしはこういう分野にも興味があって、ニュースを見逃さないようにしてるんだけど、最近とくに火星についての目立ったニュースはない(はず)。
と思っていたら、昨夜のテレビのコズミック・シリーズは、火星探索車パーシビアランス(不屈の精神)のこと。
これは今年の2月に火星に着陸したばかりだから、最新の火星報告といっていいだろう。
ここに載せたのがパーシビアランスの写真だけど、これは自律走行して火星の表面を探査するロボットで、あっちこっちに鼻をつっこんでかぎまわるワンちゃんみたいで、なかなか可愛らしい。
あ、写真で足もとに写っているのは、動物の骨じゃありませんからね。

火星には水が流れた跡がある。
こんなことはだれでも知っている。
残念ながら火星人がいないことも周知の事実だ。
パーシビアランスの探査目的はは火星人ではなく、バクテリアや細菌のような原始的な生物なんだけど、今回の番組は探査車や火星ヘリコプター、探査車のデータを回収するシステム、さらに将来人間が火星に住むための準備など、技術的な話が多く、生命の存在について新発見の報告はなかった。
なにか生きものの痕跡が発見できるかというと、それは、たぶん、むずかしいんじゃないか。
外惑星にまで探査の手がのびたいま、わたしたちはこの先なにに期待すればいいだろう。

ときどき不思議な気分になる。
かって火星にも大河があり、海もあったらしい。
しかしそこに生きものはひとつもいないのだ。
川があってもサケもドジョウもカゲロウの幼虫もいない。
海があってもクジラはおろか、イワシもクラゲもプランクトンさえいない。
こうなると地球人としては、それがかえって異様な景色に思えてしまう。
水はまんまんとたたえているのに、ただのひとつも生きものが存在しない海、そんなものが想像できるだろうか。
ああとわたしはつぶやく。
火星はそこに住む生きもの以外の奇怪さでわたしの好奇心をかきたてるけど、残念ながらわたしは火星について、いま以上のことをなにも知らないまま、この世からおさらばすることになるんだろうね。

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