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2021年8月11日 (水)

ヨシダ、

借りていたポール・セローのアフリカ紀行の延長を図書館に申し込みに行ったら、つぎの人の予約が入っているから返せという。
延長、延長でもう2カ月も借りっぱなしの本だから、止むを得ず返した。
これではわたしのブログに連載中のアフリカ紀行の続きが書けない。
とりあえずその本がまた借りられるまで、アフリカ紀行は無期限延期ということにしておく。

代わりに借りてきたのが「ジェノサイドの丘・ルワンダ虐殺の真実」上下2巻と、ヨシダナギという女の子が書いた「ヨシダ、裸でアフリカをゆく」という本。
目下のわたしはアフリカについて勉強中なのだ。
「ジェノサイド」についてはふざけたことを書けない本なので、そのまえに「ヨシダ」のほうでふざけておく。

この本は、いちおう紀行記なんだけど、読んでみたら食べもののことや、自分は相手のことが好きじゃないのに、アフリカ人ガイドがしつこかったなどと、いかにもミーハーの女の子が書きそうなことばかりで、現地の風物や歴史はほとんど出てこない。
アホらしいと思ったけど、著者の容貌が気になってネットで調べてみた。
差別主義者のそしりはあえて受けるけど、わたしが差別主義者なら世間の男の大半が差別主義者さ。

すげえ美人ではないか。
すげえ美人にしては内容はいささかお下劣、つまり気取ったところがなく、本音で書いていることばかりだ。
彼女は旅行会社に申し込んで、たったひとりで現地ガイドに案内されてアフリカ各地をめぐる。
なにしろアフリカだ。
美人がひとりで旅をすれば、きっと2度や3度はレイプされたこともあったのではないか、ヌビアのバナナを味わったことがあったのではないかと、これはまあ、わたしの勝手な妄想だけど、ポール・セローのアフリカ紀行なんか読むと、どうしてもそんなこと考えてしまう。
ヨシダさんは大和なでしこだから、本人はもちろんそんなことを書いてない。

もっと若いころならともかく、現在のわたしにはとても彼女と同じ旅はできそうにない。
トイレでカエルにお尻をつっつかれたとか、エアコンからイグアナが飛び出してきた、ホテルはゴキブリが満載だったぐらいなら我慢できるけど、ウジムシいっぱいのトイレなんてとてもたえられない。
考えてみるとわたしの子供のころのトイレはみんなそんなものだったけど、やはり人間にはよきにつけ悪しきにつけ、慣れというものがあるらしい。

ミーハー的な文体といえど、汲み取るべき知識はある。
アフリカではわたしが想像している以上に、黒人は白人に劣等感を持っているらしかったし、P・セローの本にもあったけど、現地の人々の支援慣れ。
仕事を与えてもすぐに放り投げてしまうこと、支援物資が届いても満足しないことなど。
グルメ・ツアーや、ブランド商品買い出しツアーではわからないこういうことを、ちゃんと知りえたということで、彼女がたんなるミーハーでないことがわかる。
彼女は幼いころからアフリカにあこがれていて、すっぽんぽんになって現地人とおなじ格好をしてみるなんて記述には感心した。
ここにもひとり、平安文学に登場する「虫愛ずる姫」と同じタイプの、世間の規格に合わない女の子がいる。

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