官僚主義の勝利
選挙になるととかく評判の悪い官僚主義だけど、今回のオリンピックについては、これは官僚主義の勝利といえるのではないか。
開催まえはいったいどうすればいいのかと、わたしなら発狂してしまいたくなるくらい、いろんな問題を抱えたオリンピックだった。
ぜんぜん関係のない輩がやめちまえと百家争鳴し(そのくせ始まるとみんな熱心に観戦するのだ)、政治家があたふたするなかで、日本の役人・官僚はもくもくと自分の役割を考え、自分の仕事をこなした。
競技場の建設が間に合いませんといえば、政治家はなにがなんでも間に合わせろというだけ。
そんな北朝鮮の正恩クンなみの強引な命令にも、いったん発せられれば黙々と従うのが役人・官僚というものだ。
世間が右往左往しているあいだにも、オリンピックの準備はずっと途切れることなく継続していた。
外国の選手をオモテナシのこころで歓迎しろといえば、すぐさまそういう手筈をととのえる。
空腹の選手から苦情が出ないように、また閉じ込められて退屈する選手がないように、選手村のなかに24時間レストランやゲームセンターを開設する。
ボランティアが足りませんといえば、日本中にはりめぐらせた役所のネットワークですぐに補充する。
政治家なんて楽なものだ。
これ、やっとけといえば、どんな無理難題でも、あとは役人・官僚がぶつくさいいながら、ちゃんとよきに計らってくれる。
今回のオリンピックはほぼ成功まちがいなしだけど、それはこういう無言で仕事をする役人・官僚たちに支えられたといって過言ではないと思う。
え、台風が来てるって?
そればっかりは役人にも官僚にもどうにもならんかもね。
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