時空を超えて
昨夜は録画してあった古いシルクロードの映像を観ていた。
これはいちばん最初は1980年ごろにテレビ放映されたものというから、いまから40年以上まえの映像だ。
画質は悪いけど、これを観ていると不思議な気持ちになる。
わたしはこの映像にとらえられた景色がまだ残っていた1997年に、この地方を旅したことがあるのだ。
中国という国はもの持ちのいい国だから、わたしはかろうじてそれ以前、ということは1000年も2000年も前そのままの風景をながめたことになるだろう。
いまの中国はもの狂いしたかのように激変しているから、現代人が同じ場所を旅しても、もう同じ景色を眺められるかどうかわからない。
映像の中に敦煌の莫高窟が出てきた。
わたしはひとり旅で現地に行ったことがある。
そろそろ棺桶に片足突っ込んでいるから、二度とそこへ行くことはないだろうけど、わたしはテレビを観ながら、距離という横軸だけてはなく、時間という縦軸を超えた旅をしていたことになる。
この番組を観て涙がこぼれそうになったというのは、じっさいにその場所をひとりで旅をした人間にしかわかるまい。
ただ流されるだけの人生だったけど、わたしの場合、思いもかけない遠い陸地にまで漂着したものだとしみじみ思う。
添付した写真は敦煌の莫高窟にて。
記念写真を撮っている4人組は観光に来ていた中国人たちで、中のひとりはウイグル人、スカートの女性は漢族で、なかなかイロっぽい人だった。
大きなドンブリを抱え込んで食事中なのは、莫高窟の日本語ガイドさん。
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