徒労に賭ける
ココログのブログに、わたしの郷里の詩人・萩原朔太郎について書いたものがあったので、読んでみた。
そのブログを書いている人をかりにAさんとしておこう。
注釈の多い丹念な内容で、古い言いまわしもたくさん出てくるから、Aさんは生きた化石のような人かと思っていたけど、プロフィールによると定年退職をした高校の国語教師さんらしい。
ただ、取り上げられている朔太郎の詩は、未定稿や本人がボツにした詩が多く、こういうものを公開されて作者が喜ぶかどうかわからない。
それでも愛好家などにとっては貴重な資料ということはあり得るから(わたしにとっては価値がなかったけど)、大変な労作ということで敬意をあらわしておこう。
ほかにも見出しを拾うだけで、芥川龍之介、梶井基次郎、中原中也、梅崎春海、伊藤静雄、伊良子清白、ツルゲーネフなどの詩人・作家から、曲亭馬琴や甲子夜話、和漢三才図、北条九代記、今昔物語など、古典をそのまま引っ張ってきたような文学作品、さらにナチュラリストの南方熊楠についてとか、映画の話題もあって、わたしのブログでも取り上げたロシア映画「誓いの休暇」が出てきた。
しかしこんなブログを読む人が、今の世の中にどのくらいいるのだろう。
興味があったので調べてみた。
Aさんは節々で、今日はアクセスが何万に達した、何万に届いたと嬉しそうに書いている。
この人は2005年にブログを開設しているから、わたしより2年先輩で、とうぜんわたしより累積カウントも多く、現在150万あまりに達している(わたしは まだ40万がやっと)。
現在は2021年だから、Aさんはココログ16年生、わたしは14年生ということになるけど、それにしては差が開き過ぎみたいな気がする。
時間をおいて彼のカウンターをチェックしてみたら、24時間で600あまりのアクセスがあったことがわかった。
まあ、他人のブログにいちゃもんをつけようってわけじゃないから、そんなことはどうでもよい。
今回のわたしのブログのテーマだが ———
なんで、なんで、なんで、どうして、どうしてわたしのアクセスが、昨日はたったの60(夜の11時の時点で)なのよお?
先日はわたしが野良仕事をしていたら、通りかかった見ず知らずの美貌の人妻が、ブログ読んでますよだって。
見ろ、わたしのブログの人気絶頂ぶり。
以前は外国からのコメントも受け付けていたら、迷惑コメントがわさわさ。
わたしのブログは外国にも鳴り響いているのだ。
それがなんで、え、なんで60なのだ。
これが操作でなければ何なのだ。
ココログに文句をいったって、それがあんたのブログの実力だといわれればそれっきり。
こういうときはどうすればいいのさ。
なにもブログで自慢をしようとか、コマーシャルをつけて儲けようってわけじゃない。
ただ自分の書いたものがどのくらいの人に読まれているか知りたいだけなんだけどね。
いっそ「いいねボタン」をつけて、来訪した人にそのつど押してもらおうか。
その「いいね」を数えたほうが、納得のいかないアクセスカウンターより確実かもしれない。
それにしたってねえ。
ブログを書くというのは、ひとりパソコンにかじりつく孤独な作業だし、しかもなんの反応もないまま、ひたすら書くことだけが生きがいという人も多いんじゃないか。
中にはAさんのように、アクセス数が励みになっている人もいるだろう。
読んでいるみなさんにお尋ねしたい。
え、わたしのブログってそんなにつまんないの?
現在の心境を歌にしてみました。
うちの花壇の草むしりをしていたら、まちがえてマリーゴールドを抜いてしまったので、もったいないからグラスに挿してテーブルに飾ってありますんで
卓上に黄金を盛るや万寿菊
日々これむなし徒労に賭けて
| 固定リンク | 0
« アフリカ/リロングウェ | トップページ | 有害 »
コメント